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白の闇 新装版

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 日本放送出版協会
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人間がいます ★★★★★
一気に読みました。非常に重たい内容です。相手から自分は見えない、自分から相手が見えないことで人間の汚さが噴出してきます。その汚いのが人間だ!だからお前はどうするんだ?と作者が何度も問いかけてきます。この本にめぐり合ったのは私にとっては事件です。
私たちの内にある地獄 ★★★★★
現代における地獄絵図という点で「蠅の王」を想起しました。
(蠅の王が好きな方は本作を歓迎すると思います。)

世の中のほぼ全員が視覚を失うという場面設定の中、元々私たちが内に抱えている地獄がよりリアルに表出し、それがもたらす絶望的で悲惨な状況が目の前に突きつけられ、久々に読んでいる最中心拍数が上がりっぱなしになりました。
人間の欲望と本質があぶりだされた作品。 ★★★★☆
普通失明といえば光を失い暗黒の世界となる。しかしこの場合ある日突然信号待ちをしているときに一人の男が突然光のみの世界になり、視力を失う。その後彼を助けた(実際は車泥棒となったが)男、彼を治療した医師他どんどん目が光に覆われていく。政府は原因不明の病気対策として患者を元精神病棟に隔離するのだが、満足な食料も与えられず十分なケアを受けられない彼らはやがて人間の欲望をさらけだし、病棟内は地獄の様相となる。
その地獄を唯一見つめることが出来たのが一人の女性、眼科医の妻である。
最初に起こったのは食料をめぐる争い、その後なわばりをめぐり、性欲、排泄しても下水道が完備されておらず、又そのうちどこそことかまわず用を足すようになり、食べ残し(実際はこぼれたもの)の食料は腐り、水も満足になく、まさに生き地獄の中人間としての尊厳をなくし、欲望のままに生きる人々。
やがて盲人社会にもそれを支配しようとするものが現れ...
すべての人が視力を失ったとき、まず食料をめぐり人々はさまよう。

人間の醜い部分を余すことなく描き出した作品であり、寓話的でありながら残酷である。精神病棟に患者を隔離するあたりは鳥や豚インフル他新しい病気の患者の隔離政策に似ている。それは何も解決しなかった。
そして人々は最低の状態になったとき助け合うどころかエゴをむき出しに争う、描かれた生きる為の執着心は人間の根源の心の醜さを見せ付けられたようで非常に悲しく落ちこんでしまった。

この本で描かれている盲目というのは比ゆ的なものだろう。
人間が本当に今の世界を見えているか、もし見えていないのだったらわれわれの生き方は(唯一視力を失わなかった女性が存在するとして、彼女の目から見ればわれわれはこの登場人物たちのようなものかもしれない
伝染する失明 ★★★☆☆
ある男が失明し、それはやがて周囲に伝染していく...

といった終末もの的な作品で、最初かなり楽しみに読みました。読み始めてすぐに思い出したのが、同様に世界中の人々が盲目になってしまうというトリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)。「白の闇」が伝染病という設定に対し、「トリフィド」の方は、大流星群を見たため、という災害的なものが原因。ゆっくりと進んでいく伝染病と一気に訪れた災害。予備知識も何もなく、盲目状態に突き落とされるトリフィドに比べ、「盲目になった人」と、「まだなっていない人」が存在する白の闇の世界は、より人間の嫌らしさを露出させている。とりあえず、感染が疑われる人々と感染者(盲目になった人)を隔離し、閉じ込める政府。軍によって見張られた感染者たちは、脱走しようとすれば、銃撃も許可されており、怪我人、病人が発生しても、一切関知しない、という徹底振りである。突然眼が見えなくなった人々が、見知らぬ場所に閉じ込められれば、当然、一切が麻痺し...というわけで、汚物がころがり、食料の奪い合いが...

最後まで読ませるものはあるのだが、最後まで中心人物である医者の妻に違和感を感じ続けた。そして、最後にも。そこだけが残念。
眩しすぎて何も見えない ★★★★★
ポルトガル出身のノーベル賞作家の、たぶん代表作。

ふつう、失明というのは「光を失う」ことを指します。暗闇の世界に閉じ込められてしまうこと。これが「盲目」ということの意味です。

ところが、物語で問題となる奇病=「白の闇」は「過剰な光に満たされてしまう」病気です。

明るすぎて、光に溢れすぎていて、そのためにかえって何も見えなくなる。

「光だけの世界」というと何か神の恩寵のようにも思えますが、そこで登場人物達は恐ろしい経験をすることになります。

光だけの闇の中で、登場人物達は、そして我々読者は、いったいどんな地獄を目撃する/しないことになるのでしょうか。

気になる方はぜひ一読を!