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赤と黒〈上〉 (岩波文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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恋愛大河ドラマ ★★★★☆
様々なテーマを扱った作品ではありますが、物語が十分な長さを持っており、かつくどいほどの心情描写によって展開されていくので、誰でも簡単に主人公ジュリアンの世界観・恋愛観にどっぷり浸ることができます。
そういう意味では安心して読める名作だと思います。
やはり長い間読み継がれる作品というのは、読者を虜にする力を持っています。

もちろん内容は恋愛に限らず、当時のフランスにおける階級社会内での立志伝的要素、さらには読者に対する思想的な呼びかけまで含む盛りだくさんのものとなっていますが、そうは言ってもやはりフランス文学、主人公のジュリアン・ソレルと2人の女性を巡って繰り広げられる恋愛劇こそがこの作品のメインディッシュでしょう。

「生きた、書いた、愛した」という墓碑銘を残したことでも有名なスタンダール。(フランス人の鑑ですね)
ぜひ本作品でその哲学の神髄を味わい尽くしましょう。
孤高のヒーロー ジュリアン・ソレル ★★★★★
貴族界の象徴である『赤』、もうひとつの時代の権力である宗教界の象徴としての『黒』。 僧侶としてまずまずの成功を収めた野心家、ジュリアン・ソレルが貴族界の花形高慢なマルグリッドを手に入れることにより赤い階段をも上ろうとするお話です。

物静かな外見とはうらはらに堅い野心に支えられた強い精神力をもつジュリアンはナポレオン失脚後も熱烈に彼を崇拝する夢見るヒーローでもありました。他人を信用しないため台詞の多くが独白です。

不遇の少年時代から努力と忍耐により着実に地位と名誉を手に入れていくジュリアンは周りにとっては冷たい人間にしか映らなかったと思われますが、優しいもろい面も持ち合わせているところが読者にとっては大変な魅力となっているのではないかと思います。

侯爵の娘マルグリッドと、天使のような心を持ったレナール夫人、ジュリアンを愛する二人の対照的な女性も話の展開に重要な存在です。

大人の文学 ★★★★☆
仏文学は大人の文学。特にこの「赤と黒」は主人公ジュリアンの野心とレナール夫人に対するかけひきがおもしろい。心理状況をよく理解しつつ読むと仏文学のよさが味わえます。
☆☆☆☆☆☆ ★★★★★
ここには、神の子供、すなわちランボー
全ての知的不良、若き野心家 
その傷だらけの魂の奥底に神をも恐れぬ獣の大望を眠らせる
堕天使 美神  全ての若き野郎どもに
陰鬱な激情をリアルに描ききる作品 ★★★★★
主人公ジュリアン・ソレルの、打算的で野望に満ち満ちたダークな側面と、宗教の儀式や恋にすぐに感動してしまうといった純粋な側面という二つの顔が印象深い。自意識過剰で陰鬱な彼のキャラクターは、今の若者・青年にとっても非常にリアルだ。複雑に転回していくストーリーを背景に、上述の如き二面性に引き裂かれるジュリアンが生きていく様は、読んでいて非常にスリリングである。悲しいくらいにすれ違いつづけるジュリアンと「他者」「世界」。後半の息を呑むような展開は、まさに本を置くことが出来ず、ひたすらページをめくり続けるしかなかった。 名作と聞くと読む前から萎えてしまう事が多いが、本書は一気呵成に読み終えることができる。生島遼一氏の秀逸な訳・解説も必読。もし同じスタンダールの『パルムの僧院』と比べろといわれたら、主人公ジュリアンの陰鬱で分裂症的なキャラクターが気に入ったので本書をお薦めする、と答えよう。