映画のシーンに追いつけない
★★★★★
ひさしぶりに再会した。そんな感じだ。
すでに、ストーリーは映画で知っていた。大好きなジャックレモンとウォルターマッソー。ふたりのやりきれない演技がいまも目に浮かぶ。
このたび、酒井洋子さんの新訳として再登場した文庫本を手に取った。読みやすく、映像的でもあった。読んでいる内に、映画のシーンがどんどん先を急ぐようにして浮かび上がる。焦って、ページを繰る。長距離をスピード配分など考えずに走り抜けたように、汗びっしょりになってしまった。そんな気分だ。
久々の再会は、あっという間のことだった。