執筆陣は、マーケティングで有名な米国ノースウエスタン大学のケロッグ校およびメディル校の教授が中心となっている。顧客ロイヤリティーや優良顧客獲得の考え方、バイラル(ウィルス)マーケティングなどの新しいマーケティング手法、スコアリングモデルなどのデータ分析・評価方法など、本書で扱われている範囲は幅広い。さらに後半では、統合マーケティングの具体的な方法や、統合による相乗効果をマーケティング活動に生かす手法について論じている。内容もボリュームも決して「軽い」本ではないが、具体例を多用して分かりやすく書かれているところが、さすがにアメリカのテキストである。
最終章に述べられているように、「マーケティングにゴールはない」。時代とともに刻一刻と変化、発展していくものなのである。マーケティングの基礎知識がある人であれば読みこなせるレベルなので、最先端の理論を学びたい現役のマーケターや学生の方におすすめだ。(戸田圭司)