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夜のフロスト (創元推理文庫)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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   フロスト警部が帰ってきた。待ち焦がれていた読者は数知れないだろう。あのだらしなく、口汚く、行き当たりばったりのスケベ警部。いったいどうしているのかと思っていたら、相も変わらぬお姿で元気にご活躍。猛威をふるうインフルエンザにもかからず、ほとんど寝るのも忘れて夜の町をあっちへうろうろするかと思えば、肌もあらわな若妻のピンとおったった乳首に、今にもしゃぶりつきそう。その間にも老女の連続殺人、新聞配達の娘の失踪事件、少女の自殺、ポルノビデオ、そして小うるさいマレット警視の叱責に追いまくられて、フロストは新米巡査部長のギルモアを引き連れ、事件解決に大わらわ。

   でもいつものフロスト警部のこと、一貫した捜査方針などこれっぽっちもない。ただわめいて、走り回って、勘を頼りに強引な捜査を続けるのみ。しかしこいつが犯人だと確信したのもつかの間、強力なアリバイが見つかって、また一からやり直し。だがここでくじけないのがフロストのいいところ。ただし一緒に振り回されるギルモアはたまったものじゃない。奥さんには愛想をつかされ、かぐわしきアフター・シェイブ・ローションは同僚からバカにされ、事件を解決したと思いきや、手柄はほかの刑事のものとなる。上司に恵まれないとひどいことになるという、まさに典型。

   ところが妙なことに、てんやわんやの大騒動もいつしか犯人が捕まってめでたく終了。とても普通では考えられない解決を見るのだから、やっぱりフロスト警部は天才なのか。いや、単に運がよかっただけというのが、真実だろう。『クリスマスのフロスト』(原題『Frost at Christmas』)、 『フロスト日和』(原題『A Touch of Frost』)に続いてのこの作品、大いに楽しんだ。まだ未訳の作品が2つある。早く読みたいものだ。それにしても大手柄は訳者の方。罵詈雑言、エッチ満載のセリフを、実に見事に訳している。ぜひご尊顔を拝したい。(小林章夫)

究極のワンパターン ★★★★☆
 いつものように次から次へと事件が起こる中、睡眠不足のフロスト警部が、他所から赴任してきた部下を引っ張りまわしながら、行き当たりばったりの捜査にも関わらず、鋭い洞察力で数多くの事件を解決していくというお話。
 確かに面白いとは思いますが、いくらなんでも、第一作目から第三作目まで全く同じパターンというのは如何なものか。また、洞察力といっても、確かな推理ではなく、半分ヤマ勘で当たらないこともあるし、展開もご都合主義です。
 英文も、読みにくいとは言いませんが、アメリカには、もっと読みやすく、ストーリー展開の面白い作家がたくさんいます。
シリーズ第3弾 ★★★★☆
国内出版から9年でようやく日本で8年前に出版された作品。最新巻から読み始めついに全巻を読み終えた。あいかわらず毎回のように押し寄せる少女関連の難事件と、裏のないフロスト節の推理に引き込まれる。
とにかく面白い ★★★★★
普段、小説はあまり読まないのですが、これは嵌る、
嵌った。結局、一気にシリーズを読破しました。
フロスト未読の方は、いきなり2作目以降を読まれてもいいかも。
フロスト警部、今度の敵はインフルエンザ? ★★★★★
 おなじみフロスト警部が、独特の洞察力とひらめき、行き当たりばったりの捜査で猪突猛進しながら、
複数の事件を解決していきます。

 老婦人の連続殺人、新聞配達少女の誘拐殺人、いちゃいちゃ若夫婦への嫌がらせ、自殺者も出たブラックメール、ポルノの裏ビデオ…。
 インフルエンザ大流行による人手不足のなか、出世意欲に燃える新人を従えて夜通し走り回るうち、
別々の事件が思わぬところでつながっていきます。

いつもながらのプロットの巧みさは、Wingfieldの職人技ともいえるでしょう。
最初から最後まで面白く、痛快です。
フロスト・シリーズの人気の秘密 ★★★★★
実は芹澤恵氏の翻訳によるところが大きいのではないか。
この人、田口俊樹氏のお弟子さんですよね。

ときどきこのシリーズを読み返してみるけど、自分自身の仕事振りが思った以上にフロストの影響を受けていることに気付き、驚きます。
(机の上はめちゃくちゃ、書類をファイルしない、シビアな話でも笑いを混ぜないと気がすまない、直感に頼る、等々)