この作家の作品が好きで最近買いあさっています。
やっぱりこの作品も面白かったです。
何気に音楽も絡んでいてザ 少女マンガみたいな感じでした。
本書は愛蔵版と言う事なんですが
8年後の後日談も見てみたかったです。
書き下ろしてくれればよかったのに←

後半の読み切りも良かったです。

通常版も持っていますが、改めて購入しました。
何度読み返しても心に沁みる物語です。

帯の『世界一お気楽に読める音楽まんが』というのは
「芸術・スポーツ等でトップを目指すギラギラした作品とは対極にある…ということを指しているのかと思われます。
しかし、一見お気楽に見えるこの作品の本質はもっと深い所にあると感じます。
出会い、別れ、死、どうしようもない運命、実は結構ヘビーなテーマをたくさん抱えています。
それを軽やかに紡ぐ作者の深いまなざし、力に敬服するばかりです。

かつてはピアノで世界の頂点に手が届こうとしていた蔵之介、
笑えるけれど笑えない怪我で、表舞台から退いた彼の才能を惜しむ人も多く
それが時に梅子の心にさざ波を起こすことになります。

でも、この作品はこう告げています。
世界の第一線で活躍することと、日々の暮らしを家族と穏やかに過ごすことは
たいして変わらないことだと。
どこにいてもどうしていても、変わらない本質。
禅の悟りにも通じるのでは！…なんて。
蔵之介がものぐさで女らしなのもまた事実！
でも底抜けに優しいところが実に素晴らしい〜。

小ネタや書き文字にクスッと笑わされ、
そしてピアノの小曲を聴いたあとのように、余韻にひたれる物語ばかりです。
絵も本当に可愛く美しいです。大好き。

『ユキの冒険』も読んでみたい作品でしたので、収録されていて嬉しいです！
主人公の恩師の「本も絵も人が作ったものだよ」「言葉はね　いろんな形に姿をかえて　世界をかけめぐるんだよ」という言葉が胸をうちます。
時代をこえて変わらない、良質な少女漫画の流れの結晶だと思います。

あとがきで、相変わらずの蔵之介、梅子、そして御子柴くんの姿が見られて良かったです。
心からおすすめしたい作品です。

音楽マンガは結構あると思うのですが、かなり独特な作風の作品だと思います。
舞台は都心からかなり離れた町の旅館。母を早くに亡くしこの旅館で育てられた少女、梅子と元ピアノの神童と言われた音楽講師蔵之介が主人公です。
のんびりした展開と作者が時々見せる心に響く演出が自分にはストライクでした。

絵柄は淡く軽い感じ。現代物ですが、大正時代（？）とかそういったレトロな雰囲気が感じられます。

自分は通常版を購入して何度も読み返していましたが、愛蔵版発売ってことで改めて購入しました（笑）