日本語訳決定版はこれ!
★★★★★
20世紀の「超」有名な重要作品。カフカの「変身」の池内紀による21世紀新訳ヴァージョンです。新訳はやはり読みやすく、改めてこんなにおかしな傑作な小説だったのかと、再確認!
数十年ぶりに読み返してみれば、新訳だからというわけでもないでしょうが、100年近くも前に書かれたとは思われないほど、「この本はこんなにも、現代的な作品だったのか」ということです。こりゃストレスの溜まったサラリーマンの出社拒否症状の裏返しじゃないかとか、引きこもり人生のエピローグじゃないかとかいろいろと想像が出来ます。
最後は悲しくも可笑しい悲喜劇には違いないですね。グレーゴルが死んでしまってからというもの、なに?この家族たちの生き生きとしたこと!
不条理に真っ向から立ち向かってはいけない
★★★★★
シューレアリズムの傑作だが、不条理な世界観は読み手を選んでしまうかもしれない。
しかし、これは紛れもない傑作だ。 読者に対する突き放した設定はそれ自体が強烈なメッセージなのだ。
狂気なる現実とそれに対して普通に暮らし主人公を疎ましく思う家族達。
そこから見いだすモノ…
どう考えてもリアルな人間の闇の部分にスポットを当てている。
やはり読み手を選ぶ書なのかなぁ(笑)
不条理だけど、
★★★☆☆
う〜ん、スゴイ話しですね。みんなが冒頭だけ知ってる、朝起きたら虫になっていた男の話し。でもほとんどの人が最後まで読んでないのでは?私もこの年まで読んだ事なかったです、恥ずかしい話しですが。
ストーリーはみなさん知っている通り、ある男(独身で老いた両親と妹と生活)が朝早くからの仕事(行商のセールスマン)の為に目覚ましをかけたはずなのに、気が付くと時間を大幅に過ぎている!!しかも自分の身体に大きな異変が!!虫になってる!!!硬い殻をまとい、足は細かく細くてたくさん生えてる!!寝返り打つのも一苦労で、ベッドから降りるのに頭を打つしまつ!!!
というパニックから、仕事先の上司や家族を巻き込んだ恐ろしいくも(私には)笑いを感じさせる冷静さで、ストーリーは進みます。著者フランツ・カフカの時代と現代では捕らえ方に違いはあるかもしれませんが、私には不条理な部分を恐くもさせていますが、笑いにも通じるものとして、感じました。最後の最後なんか、ある意味吉田戦車の不条理ギャグです。恐ろしくも可笑しいそんな話しですが、これそんなに名作なのでしょうか?ちょっと疑問は残ります。
乾いた笑いを求めている方に、あるいは古典を再認識して見たい方にオススメ致します。短いし、すぐ読めます。
変な小説
★★★★☆
読み終わったあとも、最後まで違和感が残ったままだった。なぜ「青虫に急に変身してしまった事」それ自体をなぜ誰も不思議に思わないのだろうか、と。
主人公自身はいきなりこんなことになってさぞかしびっくりしただろう。最後に自ら餓死を選んだのも家族に迷惑をかけたくなかったからに違いない。
結局この小説で筆者が訴えたかったことっていったい何なのだろうか?今の私にはまだはっきりと理解できていない。
変身って特別なことじゃない。
★★★★☆
何十年も前の小説とは思えないくらい、新しくも不思議な感覚だ。「情報は変わらないが、人間は変わる」と何かの本で読んだが、その言葉を思い出した。人は変わる。。。自分が意識しようが、しまいが。そのことを、突然虫に変わってしまった主人公を通して、切なく悲しく時には、おかしみをまじえて、語られる。意図しないで変わってしまった主人公と働き手を失った家族が自立していく姿。家族が主人公をだんだん重荷に感じるようになる過程がとても悲しい。それぞれの変身が人間社会を映している。名作といわれることはある。