最高に美味しいです。
★★★★★
待ちに待った「北島亭」の料理本。
大本幸子さんの 「『北島亭』のフランス料理 (生活人新書)」を
読んでたまらず食べに行き、前菜の「セップの温かいサラダ」に
やられて以来、自分の中で一番おいしい“フランス料理”の店。
この店を外すミシュランは節穴ガイドなので買わなくてよろしい。
そんなおいしさの秘密が余さず収録されている。買いだ。
本書は、同店の代表的な料理を熱い解説とレシピ・順を追った
作り方からなる前半。そして北島シェフの料理人半生と、そこで得た
哲学を語る後半で構成される。全体として、フランス語でのフランス
料理用語を知らないと十分に楽しめないが、巻末に必要な用語の
解説があるから都度々々参照すればよい。「アンティエでポシェした
鶏はおいしいなぁ」と言われても、普通は困るものね。
写真も、変に芸術的なんだかどうか、マクロレンズで寄りすぎて
ボケボケになり、何がなんだか分からないものが多い昨今、本書では
寄ってはいるものの全体はきちんと捉えられていて、これらの料理の
魅力が完全に伝わってくる。最高だ。
一度ページを開けば、最後まで一気読み必至の一冊。
読み物としても楽しく、まことに美味しい。