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Question of Balance (Reis)

価格: ¥947
カテゴリ: CD
ブランド: Polydor / Umgd
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究極のスルメ ★★★★☆
ムーディー・ブルースが1970年にリリースした6作目。まず一聴して前作までと作風が違う事に気づく。流れ・コンセプトに比重を置いていた
作風を一旦バラバラに解体して、より良いアプローチを模索しようとする努力が見える。ただ一曲、一曲にばらつきがあるとはいえ、そこは
流石のムーディー・ブルースであって曲の出来は凡百バンドを軽く凌駕しているから凄い。なんだろう奇妙な説得感があるのよネ。。
Side oneなんかはその典型で、並ぶ五曲はそれぞれヘイワード、ピンダー、トーマス、エッジ、ロッジの作品で配置構成されていますが、改めて
特色ある面子なんだなと思う。
その中でも、ジャスティン・ヘイワードは頭一つ抜けている。[1]の「Question」、[6]の「It's Up to You」、[8]の「Dawning is the Day」が
彼作だが、良い意味で喩えるなら本当に《空気》みたいな音楽だと想う。ありそうでない音楽。他人には創れない開拓性に富んでいるが、
まったく生みの苦しみを感じさせない自然さに溢れているのが凄い。独創性なら彼の右に出る者はいないだろう。創る曲、創る曲ことごとく外れ
がないのには脱帽するしかない。
他、特筆すべきはピンダー作の「Melancholy Man」か、、、 儚いアコースティック・ギターをバッキングに憂いを帯びた歌声がもの悲しげに
歌い、曇天から降って来るような重厚なコーラスワークと電子音による装飾。それらが渾然一体となって独自の音響空間を創りだす。後半の
激情的な盛り上がりによる演出も素晴らしい。名曲(!)と言いたいがやはり地味。それに続く形で始まるラスト「The Balance」も地味っちゃ
地味だが何故か感動する。上述した奇妙な説得感って奴だな。まあコーラスワークが本物なバンドはやっぱ本物なんだなぁ。。

総じて他の作品に比べれば、誰にでもお薦めにするに足る代表曲・名曲ってのがないんだが、何故か手に取る回数は多い。少なくともバンドの
名前だけで全英アルバムチャートのトップを飾った一枚じゃない事だけは請け合い。聴けば聴くほど味が出ます。
紛れもなくトータルアルバムです。 ★★★★★
 曲間をフェードアウトからフェードインで続けてゆくスタイルはそのままです。
 最初の「クエッション」と最後の「バランス」。すると間の曲は全て「of」になるのでしょうか。でもこの「of」には際だって良い曲ばかりが並んでいます。

 だからアルバム全体に「コンセプト無し」なんて言われるのでしょうけれど、そんなことは無いと思います。
 アルバムを通して全部聴いてみてください。彼らは最初の「質問」からまた旅に出たのです。多くの光景に出会い、いろいろな人々に出会い、そして最後にオレンジの木の下でしばし休憩をとっている姿が目に浮かぶようです。

 ゆったりとした語りからドラマチックなエンディングに向かい「心を開こう、それが始まりの合図」と繰り返し歌われる「バランス」は、ムーディーズのアルバム中でも白眉のエンディング曲だと思います。

 この頃から、「セブンス=ソジャーン」までが、ムーディー=ブルースが最も充実していた時期だと思います。

 なおCDになってからムーディー=ブルースのアルバムはどれも全曲通して聴きやすくなりました。
 今ではCDの存在自体当たり前のことですが、昔LPレコードで聴いていたころは、途中でひっくり返さなければならなかったのですよ。

アルバムの中で旅をする気分。 ★★★★★
 最後の「バランス」という曲はグレアム=エッジの語りと全員のコーラスが交互に出てくる構成になっていて、まさにこのアルバムの最終曲として特別に作られたものと思うのですが、この曲だけを取り出して聴いても決して良い曲とは言えません。

 しかしアルバム全体を通して聴いてゆくと、非常にドラマチックなエンディングを演出しています。「心を開こう、また新しい未来へ向かおう」という誇り高き息吹を感じるのです。

 曲間を開けず次の曲へつないでゆく手法は「サテンの夜」から一貫しており、このアルバムでも例外ではありません。
 ムーディーズはここで小さな心の旅に出ていたのでしょう。各曲の印象から推察するに、旅先で出会ったいろいろな現象、人物、夢について曲を書いていったように思うのです。あくまでも私の想像ですけれど。

 「バランス」の詩では、オレンジの木の下で一休みしている旅人をモチーフにして、彼らの世界観を積み重ねて行き、その感情は最後のコーラスで最高潮に達します。

 以上そういった意味で、このアルバムは立派な「トータルアルバム」だと思います。私の中では5番目に好きなアルバムですが、エンディングの感動を比べてみると「童夢」の「マイ=ソング」の次に素晴らしいと思っています。

ムーディーブルース通の方向きでしょうか。 ★★★★★
このアルバムは、クラシックとの融合、コンセプト・アルバムから離れて、もう少し制約のない中で音楽を作ろうとしたのではないかと想像しています。原点に戻って音楽作りをやってみよう、という感じでしょうか。イエスやEL&Pでもそういう方向性をもった作品があります。コンセプト作品を作り続け、多重録音でアルバム制作をするバンドは、バンドとしてのアイデンティティーを確認する必要があると思うのです。この時がそういう時だったのでしょうか。これも想像ですが。そういう面で、この前後のアルバムと異なるのですが、サウンドとしてはやっぱりムーディー・ブルースといいますか、メロトロン、メランコリック・マンで使われたシンセサイザーなど当事のエレクトリック・サウンドの理解者であり先駆者の面目躍如という感じがいたします。ムーディーブルースに興味をもたれた方には特にお勧めできます。初めてという方は、やはり名作から聴かれるべきかと思います。
テーマを持たずに作成された実験作 ★★★★☆
前作の「子供達」でトータルコンセプトアルバム制作に終止符を打ち、何もテーマを決めずにアルバム作りを行ったという実験作。確かに個々の曲の出来にばらつきがあるのは確かですが、それまでのアルバムの統一感の中に埋もれていたソングライティングの未熟さを白日の下にさらすことで、個人のレベルアップを図ったと取れないことはないかなと思います。①は組曲的に、アップテンポなテーマと、スローなブリッジさらにその展開、再度テーマと凝った構成のジャスティンの作品。名曲の誉高い⑨はAメロ、Bメロの単純な構成ながら、作者であるマイケルの感情豊かなボーカルとコーラスが見事なばかりの盛り上がりを見せています。その他の作品は確かに小粒ですが、ここでの経験が次作、次々作といった、全く捨て曲なしの傑作アルバムにつながっていったのではないかと思います。彼らのアルバムで、一番最初に購入して欲しいアルバムではありませんが、彼らの世界に入り込めば入り込むほど存在感が増すアルバムだと思います。