最後まであきさせない
★★★★☆
グリジャムの作品は二作目ですが、読みやすく面白かったです。最後のsailorになるとはなかなかしゃれています。
この恐ろしい会社は結局最後暇なのかと少々思っちゃいましたが(笑)まあ、パートナーだって自分の身のためにも主人公ミッチを捕らえるのに死に物狂いでしょう。ミッチの作戦の数々は割と綿密なものだと思いました。
ただ話の展開は読みやすく驚きが少ない点で星一つ足りないと感じました。
読みやすく、かつ、アメリカの金融界で働く人の意識を知るための好著
★★★★☆
非常に読みやすい。多分、高校である程度英語が出来る人なら、かなり楽に読めるはず。
もう一つ、この本で、アメリカの金融界で働く人のメンタリティと言うか意識がある程度分かると思う。2008年のリーマンショックがあったが、その背景には、この本で描かれているような人々が居たんだと思うとアメリカの金融界への理解が深まるのではないだろうか?
長さを感じさせない筆者の力量に感服!
★★★★★
トム・クルーズ主演の映画「ザ・ファーム」は十数年前にロードショーで観たものの、
グリシャムの原作は、読もう読もうと思いながら先送りになっていた。
今回一気に読んだ。
900P弱なので、下手をすると三冊分位の分量のはずが、まったく中だるみしなかった。
登場人物は映画とほぼ同じだが、物語の展開は少し違う。映画以上にアクション、サス
ペンス度が強烈だった。読者を飽きさせない理由は、グリシャムの力量に他ならないと思う。
構成、登場人物の設定、スリリングなストーリーなどどれも秀逸だが、とくに気になった
のは、間と間をつなぐ何気ない情景の描写力だ。
グリシャムは、スタインベックを愛読していたと何かで読んだことがあったが、まさに
スタインベック流の描写力だと感じた。
映画は映画で面白いが、ストーリーは異なるので、すでに映画を観てしまっている人にも
お勧めの小説です。
映画化作品より映画的なアクション小説なり!
★★★★★
これほどハラハラドキドキで読み急いだのは「モンテクリスト伯」以来だ。図書館で本とCDの両方を借りてきて、その時々で便利な方のメディアで聞く/読む、をしたけれど、CDは映画のような臨場感がより伝わってきたし、本の方は抑揚が読者次第ということからまた別の種類の想像力をかきたてられた。本だと知らない単語でてくると気になって辞書引くことがあるが、CDだとそんなことをしている時間がないのでそれがかえってよかったりした。
この手の小説は伏線のはり方で出来が左右されると思うが、申し分なかった。意外な登場人物が後半の方で面白い絡み方をしたし、ミッチ・マクディアーの家族や同僚との関係は文学小説にみられるようなこまやかさがあった。プロットの巧さに加え、ミッチがいったい何を考えているのがわからず読者は彼の行動から推察しないといけないところもサスペンスとなった。内的独白がほぼ皆無でミッチの行動を追うことでハラハラさせられるという仕組みは映画的で、面白いことに映画化されたものよりもずっと映画的であった。シドニー・ポロックよりもジョン・グリシャムの方が映画的語りをずっと理解している、ということか。知力と体力で悪者と戦うスーパーマン物語というところでも「モンテクリスト伯」と共通しているがこちらの方がページあたりに凝縮させた密度の濃さという意味で上かも知れない。
新米弁護士とマフィアの戦い
★★★★★
やはりグリシャムの最高傑作だと思う。
出だしからぐんぐん引き付けられてしまった。
ハーバード大を卒業して高給に誘われてMitcheliが
入った弁護士事務所がマフィアの御用弁護士だったとは。
ここを怪しいとみて探索を始めたFBIに目をつけられ、
逃げることもできなくなり協力をするが、厳重な
マフィアの目をかいくぐれるか新妻と自分の命を
かけた戦いが始まる。Mitchellの頭脳力がマフィアにまさるか。
FBIへの協力と引き換えに200万ドルと刑務所にいる
兄Rayの脱走を要求。RayとのからみがStoryに花をそえる。
終盤に絶対絶命に追い込まれFBIとマフィアの両方に
追われるが、それをどう抜け出すか。読んでのお楽しみ !