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物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室

価格: ¥3,456
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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   聞く人の心をつかみ、揺さぶる物語はどうやって作られるのか。何千年ものあいだ物語を求めつづけてきた人類にとって、普遍のテーマと言っていい。現代でも作家や脚本家はもちろん、魅力的なストーリーを作り出すことへの欲求は多くの人が潜在的に抱いているはずだ。

 『百年の孤独』、『族長の秋』などで知られるラテンアメリカ文学の巨人ガルシア=マルケスは、映画脚本にも手を染めている。その彼がキューバにある映画学校で、脚本家やその卵、映画監督たちと交わした議論を活字化したのが本書。自在に交わされる対話を追ううち、読者は物語の誕生と変質という摩訶不思議な瞬間に立ち会うこととなる。

   ディスカッションはおおむね次のように進行する。テレビドラマ化を念頭において、生徒ひとりひとりがストーリーを披露、これに対してガルシア=マルケス(愛称の「ガボ」で登場)やほかの人々が意見を述べ、検討を加える。このプロセスを経るうち、物語はしばしば思わぬ方向へ変化していく。たとえば、バイオリン奏者である夫の挙動に不審を抱く妻が、彼の正体はテロリストだと知るストーリーのはずが、ふとした拍子に彼女のほうがテロリストという設定になっている。または悲劇のつもりで進めていたラブストーリーが、いつの間にかコメディーとしてまとまることもある。

   この議論を導き、精彩を与えるのはやはり「ガボ」である。提示された物語を糸口に独自のイメージをあふれさせ、惜しげもなく皆の前に投げ出す。かと思うとユーモアたっぷりに生徒を刺激し、ときには創作の本質に触れる言葉を口にする。巨人の存在感に今さらながら圧倒される思いだ。

   この教室で議論され、練り上げられるのは単なる紙上のストーリーではない。まさに、生れ落ち、成長していく生きものなのだ。じつは、それこそが物語の本質と言えるのかもしれない。ガルシア=マルケスの愛読者のみならず、物語に魅かれるすべての人に本書は開かれている。そして人間に物語が与えられた喜びを、あらためてかみしめることになるだろう。(大滝浩太郎)

正しいブレインストーミング ★★★☆☆
ノーベル賞作家ですから、さぞかしすごいことを言うのかと期待しましたが、そういうことではなかった。
良かったのは暖かなテラスのようなところで知的な戦いが交わされている、その空気感がかっこいいというところ。
マルケス自身がノーベル作品の重要ポイントが捏造であることを話してるんですが、大きな問題ではないんですかね。小説だからいいんでしょうか。
終盤では女性と生意気なベテランがけんかしそうになっていて、そんな微妙な空気もリアルで面白いと思います。私情を挟んだり、作品についてを語ることに徹さないといけないよね。

本作ではブレインストーミングの正しいあり方を示してくれています。みんなが尊敬する(ガボ、マルケスの愛称)が結局全部持っていく。彼のまとめにはおおむね反論しない。
これでいいのだ。
ガルシアの談話集 ★★☆☆☆
ガルシアが開いている脚本教室での彼と生徒の授業とディスカッションを本にしたものです。
よって、会話などで無駄な部分が多々あります。
ガルシアがわざわざ物語の極意を読者に伝えるために書いたものと勘違いしないように。
ワークショップのクオリティはホストの力量次第。 ★★★★☆
「物語の作り方」のケーススタディとして取り上げるなら可、

あるいは、

初稿を書き終えた後のチェックシートとして再読するなら可、

あるいは、

実作に取り組みたい人が前向きになれる後押しの書としてなら可、

一方で、

すぐ実践できる「物語の作り方」を知りたい人にとっては不可、

シナリオの書き方について知りたい人にとっては不可、

さらには、

ガルシア=マルケスの小説が好きな人にとっては可もなく不可もなく、

といったところでしょうか。

とはいえ、シナリオを書く上で肝に命じておきたい一家言も

随所に見られます。手許に置きたい1冊。
後になってわかること ★★★★★
 ガルシア=マルケスさんと実際のドラマ(物語)作りの記録。会話ばかりで進むあまりできのよくない小説のようだった。

 というのが何年も前に読んだ時の感想でした。

 最近になって、前読んだ事を忘れて読み出してしまったのですが、そうしてみるとわかるようになっていました。その理由というのは恐らく前読んだ時にはしていなかったアイデアを出すための議論というのを社会に出てするようになったからだと思います。
 できれば自分がもしここにいたらどう感じるか、どう話を作るかと考えながら読んでもらうといいと思います。

 
アイデアの泉 ★★★★★
ガブリエル・ガルシア・マルケスが主催するキューバのシナリオ教室で
生徒との会話を収録したものです。
30分のテレビドラマのシナリオを生徒(と言ってもたいていは脚本家
またはその卵たち)一人一人に書かせて、それをたたき台にしてワーク
ショップで練り上げていくのですが、その物語が徐々に紡がれていく過
程はなかなか面白いです。
できあがったシナリオをテレビ局などに売って学校の運営資金の一部と
する仕組みはうまいアイデアです。

それにしてもマルケスは場をコントロールするのがうまい。「朝まで」
の田原総一朗氏のような鍋奉行ぶりとは大違い。この本は脚本家に憧れ
る中高生が読むのも悪くないかも。少し内容は難しいですが、いいヒン
トになるでしょう。