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Sings

価格: ¥1,124
カテゴリ: CD
ブランド: Blue Note Records
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   チェット・ベイカーの代表作として多くの人が真っ先にあげるのが本作。トランペッターだったチェットが歌うようになったのは50年代はじめのこと。そして歌手としての名声を確立したのが本作だった。
   曲はおなじみのスタンダードばかり。しかしチェットが歌うと、そこに独特の世界が広がり、聴く者はついついその世界に引き込まれてしまう。そういう意味では、チェットの歌と演奏には麻薬的な魅力が潜んでいる。ジャズ・ヴォーカルにありがちな大胆なフェイクは行なわず、メロディをストレートに歌い上げるスタイルはいたってシンプル、それでいて味わい深い。まるで耳元で囁くようなソフトな感触の歌声はチェットの専売特許といっていい。いまでは笑い話だが、当時チェットの歌を聴いた人は、女性が歌っていると誤解したりしたものだ。中性的と形容されるアンニュイな歌声、その歌声とリリカルなトランペットのハーモニーが絶妙だ。チェット・ベイカーを聴くなら、なにはさておき本作から。(市川正二)
究極の弛緩の一枚 ★★★★★
緊張感あふれるスリリングなバトル的演奏もいいが、ときにはこうしたアンニュイなヴォーカルが無性に聴きたくなる。女性ならヘレン・メリル、男性ならこのチェット・ベイカーが筆頭だろうか。ヘレン・メリルはその深い表現にそれこそ「ため息」が出るほどだが、チェットの場合はむしろ淡々と歌い継いで行く中にやさしい温もりが息づく。男なのに何かしら抱かれていて心地よいというような、なんとも不思議な魅力だ。

そして、そこにしっとりと入ってくるトランペットがまた最高にいいのだ。音楽の流れに寄り添うような絶妙な間の取り方は、ある意味マイルス・デイヴィスに通ずるものを感じる。しかも、ヴォーカルと見事に溶け込んだこの色合いは本人が吹いているからこそで、他のトランペッターならこうはいかないだろう。この違和感のないスマートな味わいがこのアルバムの大きな魅力だ。

ただただ浸りたい。これはJAZZの範疇をも超えた最高のBGMだ。
チェットベイカーのベスト盤!! ★★★★★
繊細で、少し照れながら歌っているようなチェット・ベイカーのボーカルがすごく良い。
おそらく、ビル・エバンスの「Waltz for Debby」が好きな人なら、本作もスンナリ入れると思います。
(ジャス入門者のコメントと思ってご容赦ください。。。)
ジャスのボ−カリストでは、女性はエラ・フィッツジェラルドやヘレン・メリル等実力派が多数犇めいていますが、男性は正直今一つと思っていたのがこのアルバムですっかり考えを変えました。
「My Funny Valentine」が有名ですが、個人的には「I've Never Been in Love Before 」がお気に入りです。
失い続けた彼の、若き日の甘い響き。 ★★★★★
ボサノバの起源と言われる囁きのヴォーカリストの、初期における代表作です。

チェットベイカーは、声量を活かしたパワフルなヴォーカルとは一線を引く独自のスタイル、
いわゆる中性的な歌唱法で、当時から男性以外にも広く人気を集めていました。

彼の歌声には、例えば、疲れて帰った身体と精神を
そっと何か超越した優しいもので迎入れてくれるような甘い気怠さがあります。

その中でもこの1枚は、独創性が高く、若き日の混じりけのない音楽が、手を差し伸べてくるかのようです。

以後の彼の実生活は、ドラックに溺れ、あらゆるものを失い続けていった。
けれど、この初期の段階において歌を奏でる彼には、そんなことは未知だった。

その1954年の彼に思いを馳せて、この甘く気怠い、ときにちょっとポップな歌声に酔ってみる。
それって、どこか大人な時間だと思いませんか?
I Fall In Love Too Easilyも○ ★★★★☆
アルバムのよさについては他のレビュアー様方のおっしゃるとおり。
一方で、他のレビュアー様は、特にMy Funny Valentineの素晴らしさについて語っておられますが、私は13曲目のI Fall In Love Too Easilyの方がもっと素晴らしいと思います。
チェット・ベイカーのボーカルの、すねた男のナイーブで青臭い部分と、この曲のメロディとの相性は、ちょっとないくらいにいいのですから。
My Funny Valentineが素晴らしい ★★★★★
30年前片岡義男の深夜放送を聞いていて掛かったのがこの曲。
レコード屋を探したけれども見つからず、何件か入ったJAZZ喫茶でもなかったのであきらめていたが、CDの時代になってすぐに手に入りとてもうれしかった。後年シナトラのMY WAYがヒットした時ついでにシナトラが歌うMy Funny Valentineを聞き、同じ曲なのにつまらなさにびっくり。是非チェットの歌声を聞いてみてください。素晴らしいですよ。