Undercurrent
価格: ¥1,138
ビル・エヴァンスのピアノとジム・ホールのギターが交錯する、コラボレーションアルバムである。本作の2人の絶妙な競演は、その後のジャズ界に「インタープレイ」という言葉を流行させたほどである。ムーディーな雰囲気で、部屋を暗くしてウイスキー片手に夜を過ごしたいときや、悠々とした気分で読書するときのBGMに最適だ。また、水面下で女性が漂うジャケットの美しさも評判になった。
リチャード・ロジャースの名曲<1>は、リズム感のあるスリリングな演奏に仕上がっている。別テイク<2>も収録されているので、その微妙な違いを聞き比べるのもおもしろい。別テイクといえば、ホールの代表的なオリジナル曲<7>も2つのテイクが収められている。残りの7曲は、すべてゆったりとした曲である。59年の映画『拳銃の報酬』のサントラに使われた<9>は、マンハッタン・ジャズ・クインテットの美しいワルツ曲だ。
繊細な表現力をもった2人の世界が絡みあう、まさに名盤中の名盤だ。(新井由己)