インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

人間はどこまで動物か――新しい人間像のために (岩波新書)

価格: ¥882
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
人間の研究はこう進まなければならなかった… ★★★☆☆
たいへん理念的に書かれており、断章集という本書の体裁が示すとおり、大きな学問の夜明けを告げる宣言書みたいになっている。「序」と「結び」が30ページ近くある。「解説」・「註」・付録も、有益な資料に富みながら、当時の学問の通覧書としてパンフレット一冊分ある。≪こうでなければならぬ≫との指導理念がひたすら述べられ、実証的記述には乏しい。だが論旨を支えるには十分な量で、例えばこう述べる。異例に巨大な脳を持って生まれるヒトの胎児は、しかし生後1年は未成熟状態を保っており、したがって「文化」という環境への訓育にうってつけの状態にある。かような期間を経てヒトは「世界に開かれた」自由な行動主体となり、「環境に制約された」動物とは区別される。人間は動物とは異なる。言語も同様で、それは動物の叫び声等の延長ではない。生育の緩慢さや脳の成長も他の類人猿から区別されるが、それもヒトを「世界に開かれた」ものにする。また老化を経るにつれ個体ごとの特殊性・個性がいっそう増すが、人間を均質に捉える生物学はこの点には役に立たない。こういったことを、他の生物との十分な検証を重ねつつ述べ、絵や図も用いるが、いかんせん記述量が少なく、概念の的繰り言に終始する感が否めない。主張部分を念入りにゴチック化しているのもそのことを証左している。訳文が直訳調もいいところであるが、観念的な記述に読みなられているものにはなんら苦痛でなかろう。とにかく著者は物質に還元する人間研究を難ずる。分子生物学の隆盛に対して置き忘れられているカタチ(形態学)とココロと行動の研究がこれからは展開されねばならない。人間は精神である。