スペンサー、「荒野の七人」
★★★★★
シリーズ第28弾。今回は犯罪集団が町を牛耳る砂漠の町、ポットショットに、スペンサーに様々な場面で協力してきた6人がスペンサーとともに集結、犯罪集団に立ち向かう。まさにスペンサー版「荒野の七人」。
オールキャストで砂漠の町に銃弾が飛び交う。
LA郊外でひと暴れ
★★★★☆
スペンサーが,腕の立つ気のおけない友人を集めてLA郊外でひと暴れ,という話.個性豊かな面々が一人一人きちんと描写し分けられているので,男たちの「合宿」がとても生き生きしたものになっている.ただ,これだけの凄腕を集めてすぐに敵を圧倒して終わりにしないのがスペンサー的か.普段はスーザンとの会話で終わることの多いエンディングも,今回は少し毛色の変わった形になっていて,こういうのもたまにはいいかなと思わせてくれる.
シリーズならではの秀作
★★★★★
正直言って、この作品だけを読んでも面白さの半分も伝わらないでしょう。これがシリーズものの欠点ではありますが、ファンにとっては思わずニヤリとして満足感を味わえる良い点であります。
スペンサーと本作に登場する『ゲスト』達との関係を知らない読者にとっては少々消化不良を感じるのではないでしょうか?どちらかと言えば淡々とストーリーは進んでいきます。面白くないとは思いませんが、本シリーズは所謂常連の登場人物達の関係を知って、その会話や感情のやり取りが作品の魅力となっています。従ってシリーズを数冊読んだ程度では残念ながら、作品本来の面白さは伝わり辛いと私は感じています。
本作の魅力を例えるなら、ウルトラマンタロウのピンチにウルトラ兄弟が登場するようなもの(笑)と言っていいでしょうか・・。
シリーズを通して、作者はある程度登場人物の関係を読者は認知しているものとして書かれています。本作は特別ですが、他の作品においてはどの作品から読んでも一つの小説として充分に楽しめます。逆に本作に限って言えば、あまりにも個性の強いキャラクターが多く登場し過ぎて、個々の魅力が描ききれていないきらいもあります。それは少し残念でしたが、スペンサーシリーズのファンにとっては最大限の作者からのプレゼント(サービス)と言える作品であります。
ファンサービスがたっぷり
★★★★★
「シリーズものの醍醐味は魅力的な脇役にあり」という言葉にうなづかれる方は、きっと少なくないでしょう。中には主役のスペンサー以上に、彼の相棒ホークや寡黙な用心棒ヴィニイ=モリスが好き、なんて人もいるんじゃないかな。新作が出るたびに、彼らが話にどうからんでくるのかが、また楽しみのひとつですよね。
それが本作では、ほとんどオールスターキャストで。これまでに登場した腕利きたちが、スペンサーの頼みに応えて集まるのよ。ヒスパニックやアメリカ先住民、小男のガンマンからゲイのタフガイ(矛盾してる?)まで、てんでんばらばらな顔ぶれだけど、共通するのは「こいつら男やなぁ〜」というところ。あと、今気づいたんだけど、ヴィニイ以外はほとんどみんなマイノリティですね。(え、バーナード=J=フォーテュナト?アメリカ人でちびはマイノリティでしょ)
文庫帯には「スペンサー版『荒野の七人』」なーんて銘打ってあるけど、アクションシーンなんて正直ほんの少しですから。で、それがいいのよ。だってこっちは、スペンサーと彼ら、そして彼ら同士の交流が読みたいんだもの。さすがは作者、わかってらっしゃる。
さあ、男気あふれるパーカーの世界、存分にご堪能ください。
LA郊外でひと暴れ
★★★★☆
スペンサーが,腕の立つ気のおけない友人を集めてLA郊外でひと暴れ,という話.個性豊かな面々が一人一人きちんと描写し分けられているので,男たちの「合宿」がとても生き生きしたものになっている.ただ,これだけの凄腕を集めてすぐに敵を圧倒して終わりにしないのがスペンサー的か.普段はスーザンとの会話で終わることの多いエンディングも,今回は少し毛色の変わった形になっていて,こういうのもたまにはいいかなと思わせてくれる.