お薦めです。
★★★★★
貴族階級の閉鎖的で階級的な雅の芸術としての連歌にはじまり、江戸初期の活字印刷技術の進歩をうけて、しだいに貴族階級が力を失うなか、代りに台頭しつつあった庶民の感覚にマッチした俗としての俳諧への流行。そして巨人、松雄芭蕉にいたる流れ。その芭蕉が俳諧は連歌と同様な美しさをもちながら、俗性をもつことにより連歌で歌われていない世界をももつ天地固有のものであるとする。その俳諧成立の流れが比較的平易な文章でとてもわかり易く読めます。特に松尾芭蕉の革新さ、偉大さがとてもよく理解できました。