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テネシー・ウィリアムズ しらみとり夫人・財産没収ほか (ハヤカワ演劇文庫 6)

価格: ¥886
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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人生の敗残者達を温かく見守り希望と哀感を込めて描く傑作一幕劇集です。 ★★★★★
20世紀アメリカを代表する最高の劇作家ウィリアムズの初期から後期までの一幕劇七編を収録した傑作集です。本書の作品群を読むと著者が今でいう社会の負け組、いわば人生の敗残者を徹底して描いている事に気づかされます。この一幕劇の主役を務める人々はそれぞれ理想の姿を夢見て自分を美化し惨めな現実を認めようとしなかったり、自分の思い通りにならない運命を呪って絶望したりもしますが、不思議と何かに慰めを見出し決して人生を投げ出してしまったりはしません。著者は、人間はどんなに絶望的な状況の中でも滑稽なユーモアや微かな希望を見つけて強くなれる生き物なのだと信じ、不幸な境遇に陥った弱者を温かいまなざしで見守っているように思えます。『しらみとり夫人』下宿屋の女主人から家賃支払いを迫られ、南米にあるゴム農園からの送金が遅れていると言い訳する女と同宿の大作家を夢見る男の心のふれあいを温かく描きます。『風変わりなロマンス』指が震えるせいで工場勤めをしくじったイタリア人労働者は下宿屋に住み着いた猫を可愛がり生きがいを見つけます。『ロング・グッドバイ』病気を苦にして自殺した母と自堕落な妹の思い出を噛み締め長年暮らした家から引っ越す青年の寂しさと悲しみを描きます。『バーサよりよろしく』病気で死を覚悟した娼婦が昔の恋人に愛惜の念を込めて唯よろしくと言づけを託します。『財産没収』父母に逃げられ姉を病死で失って独りになった娘が想像の翼を広げて夢を語ります。『話してくれ、雨のように・・・・』失業し自棄になり泥酔した男と惨めな境遇から出て行く架空の人生を夢見る女が互いに労わり合う交情を優しく描きます。『東京のホテルのバーにて』著者後期の作品で三度訪れた日本を舞台に自らをモデルにした様な仕事に行き詰った画家の錯乱と苦悩の末路を哀切に描いています。貴方も悲しいけれど温かい人間ドラマの数々をじっくりと味わって下さいね。
もっとウィリアムズ作品を! ★★★★★
テネシー・ウィリアムズのあまり知られていない戯曲が収録された貴重な作品集。
特に『東京のホテルのバーにて』は現代人の孤独を鋭くえぐりだし
作者らしいアイロニーが全編にみなぎる傑作である。

テネシー・ウィリアムズの戯曲はいまや、『欲望という名の電車』『ガラスの動物園』を除いては、
『夏の煙』『去年の夏突然に』『ベビー・ドール』『薔薇の刺青』『イグアナの夜』
『地獄のオルフェウス』など、どれも読むことができない。
現代アメリカを代表するこの劇作家の作品が、一般の人々にも親しみのあるものになるよう、
文庫本のかたちでさらに出版されてほしいと痛切に思う。
珠玉の戯曲集 ★★★★★
テネシー・ウィリアムズの戯曲集。
「しらみとり夫人」、「財産没収」、「バーサよりよろしく」、「風変わりなロマンス」、「ロング・グッドバイ」、「話してくれ、雨のように・・・」、「東京のホテルのバーにて」の七編を収録。
どの作品も人間の絶対的な孤独をテーマにしており、現代人の心に突き刺さる内容である。
「しらみとり夫人」「財産没収」「バーサよりよろしく」の三作は、幻想に逃避する娼婦的女性の孤独と繊細さ、儚さを描いており、「欲望という名の電車」に通じる。
「ロング・グッドバイ」は崩壊した家庭と男性主人公の旅立ちを描き、「ガラスの動物園」に通じる。
「東京のホテルのバーにて」は、日本を舞台にして精神的に追い詰められた画家と奔放な妻の運命を描いた作品。台詞が短く小出しにされており読みにくいのがやや難点。
ウィリアムズの戯曲は名作ぞろいであるため、ハヤカワ演劇文庫が第二巻を出してくれることを切に願う。