インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

障害学―理論形成と射程

価格: ¥3,990
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
Amazon.co.jpで確認
良書ではあるのだが ★★★☆☆
 英米日での障害学の議論について、手堅くかつ歴史的体系的に紹介されている印象を受け、障害学を学ぶ人には間違いなく良書なのだろう。障害学とフェミニズムの異同についても鋭い分析がなされている。
 ただし、社会モデルの適用範囲が広くとらえられ過ぎているように感じられる。リハの負担や費用よりもそれによる将来の利益が大きい場面(典型的には教育)については、共同体主義を徹底するならともかく、あえて社会モデルを貫徹する必要はないのではないか。これについて説得力ある議論はされていないように感じ、茂木先生等の意見の方が真っ当である。(これは私が人工内耳の子供を育てているため特にそう感じる面もある。)

 また、障害学が新たなものの見方を提示したことは確かであるが、これから先障害学が世の中に広く受け入れられるためには理論の洗練ではなく、「じゃあ具体的にどうするの?」という問いに対する政策論の提示が必要だろう。それには法的思考センスと社会モデルの負担・富の再分配を具体的に提示しうる経済学的センスの両方が必要であると思われるが、難しいのかなというのもこの本の率直な感想である。一例をあげれば、序章にあるようにリハに先立って企業に無理やり障害者雇用を義務付けても、企業は雇用量全体を調整するビヘイビアに出よう。仮に主流派経済学が障害学とまともに論争すれば、「そのような手法は諸外国に同じことが義務づけられない以上、国内産業の空洞化を招き、結果的に障害者雇用にもマイナス」等と批判され、瞬時に撃沈されよう。障害学会開催で社会モデルを徹底するだけでも簡単ではない中で、障害者の生活、職業など全般にわたる社会モデルのフィージビリティを示すことは容易ではなさそうである。
価値ある一冊! ★★★★★
今まで、障害学についての本を読んで来ましたが、アメリカの障害学の現状について取り扱った本はなかった気がします。
アメリカの障害学を紹介しているだけでも、この本の価値はあるように思います。

特にこの本で紹介しているアメリカの障害学の父と呼ばれるゾラの主張は、思わず頷いてしまう興味深いものです。
障害学を大学・大学院で勉強している人にとってはこの本は必読です。
それくらい評価できる一冊でした。

高い値段に目をつむれば、新しい障害学のあり方が見えてくるはず!