哲学とは、「一体何を目的とした営みなのか?」「七面倒な理屈をコネ
て何を成し遂げようとしているのか?」その動機、本質が物語的な語り口調によってよく分かるようになっています。
哲学とは「本当に素晴らしいこと」とは基本的に無縁な、消耗した生活を強いられる大勢の人々(含む私)に、大きな、そして持続的な励まし、希望を与える力を持つものであるからこそ、あんなにも難解なものであるにも関わらず今日まで続いてきた、ということを理解させてくれる本です。
哲学はかなり壮大な野望を持っており、またそれを現実化してきた歴史があるので、その意味では「現実」「芸術」「恋愛」等に負けず劣らずエキサイティングなものだ、ということも感じさせてくれます。
ヘーゲルの奥儀を進めれば、結果責任を負う精神的な強さを如何に滋養するかという問題になりますか。これを失敗を許容できる社会や会社とすると只の理想と化しますから・・・。