製紙の機械工学からその結果の電顕写真といった専門知識を求める方へ
★★★★★
この書は紙の簡単な歴史から始まって、製紙工程の詳述に移っていきます。
製紙工程の色々や、工程ごとの製紙要領が電子顕微鏡写真で分かり易く表
示されています。
パルプの叩解工程が何の意味を持つのかなど、電顕写真以外では表現しよ
うのないものが紙の仕組みには多いですので、紙の知識が必要な方にはバ
イブルとなるべき書だと思います。
また、製紙工程の工学的図解もなされていますので、いろいろな製紙工程
について、具体的な知識を育む事ができるようになっています。
ただ、(学術選書)となっているように、誰にでも分かり易くという形には
なっていなく、必死に学ぶ気力のある人に優しい本ですので、単純に紙の
世界の面白さを求める方には敷居が高い感があります。
製紙の機械工学からその結果の電顕写真といった専門知識について入門し
ようという気力のある方にお奨めです。