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新約聖書ギリシア語小辞典

価格: ¥5,250
カテゴリ: 新書
ブランド: 教文館
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ギリシア語の本質を突く辞典 ★★★★★
概してドイツ語、英語圏で学んできたという新約聖書ギリシア語学者は、単語の意味論、文章の統語法の数学的知識には精通しているが、生きた言語としてのギリシア語に関する知識は殆どない。それ故、時に、新約聖書時代からだけ抜き出した数学的データのみに頼り、珍妙な誤解をする。

学者たちは便宜上、古典期、コイネー期、ビザンチン期、現代ギリシア語などと区分けをするが、本来、言語は常に変化し続ける生き物であって、ひとつの時代だけを抜き出してなす、数学的研究など成り立とうはずはない。新約聖書ギリシア語の全体的把握は、その前(古典期)と後ろ(現代)を見ないでは到底期待できないのである。

その点、大阪聖書学院名誉教師、織田昭氏の「新約聖書ギリシア語小辞典」は、一味も二味も違う。織田氏は生きたギリシア語の中で実際に生活し、数学的には決して説明し切れない、生き物であるギリシア語の持つ微妙な呼吸を体得された数少ない日本人である。しかも、数学的データと生き物であるギリシヤ語の学研が上手く調和された、ギリシア語研究機関世界最高峰のアテネ大学の言語学教室で研究されたのである。

なお本辞典の特徴は前置詞の詳しい説明と約音動詞の表記方法である。大方の辞典が非約音型で約音動詞を表記しているのに対して、織田氏の辞典ではすべて約音型の表記で統一されており、約音の型は単語の後ろに括弧書きで記されている。それはとりもなおさず、新約時代には非約音型は既に廃れており、新約聖書のどこを探しても非約音型の約音動詞はひとつも出てこないという事実に基づくものである。

もうひとつの特徴としては、古典式発音と現代式発音の違いが、アペンディックスで詳述されている点である。編者はそれらを取り上げながら、ギリシア語の発音がどのように変化していったのかを明瞭に解説している。

その織田氏により第四版まで重ねられたこの「新約聖書ギリシヤ語小辞典」はギリシア語聖書読解のコンパニオンとして実に頼もしい。しかもサイズはポケット版だから、携帯に大変便利である。本書を、清い心と正しい良心(ギリシャ的表現)から、新約聖書の学徒は言うに及ばず、古典ギリシャ語、現代ギリシャ語の学徒にも自信を持ってお勧めする。
ヘレニストのレヴュー続編 ★★★★★
本辞典の特徴は前置詞の詳しい説明と約音動詞の表記方法である。大方の辞典が非約音型で約音動詞を表記しているのに対して、織田氏の辞典ではすべて約音型の表記で統一されており、約音の型は単語の後ろに括弧書きで記されている。それはとりもなおさず、新約時代には非約音型は既に廃れており、新約聖書のどこを探しても非約音型の約音動詞はひとつも出てこないという事実に基づくものである。

もうひとつの特徴としては、エラスムスによって類推、提唱された古典式発音と現代式発音の違いが、アペンディックスで詳述されている点である。編者はそれらを取り上げながら、古典期からコイネー期、そしてビザンチン期から現代へと、ギリシア語の発音がどのように変化していったのかを、チャートを用いて、明瞭に解説している。本文の内容の質の高さもさることながら、アペンディックスが充実しているのも辞典としては頼もしい。

本書を新約聖書の学徒は言うに及ばず、古典ギリシア語、現代ギリシア語の学徒にも自信を持ってお勧めする。

なお、同氏によって執筆された1000ページにも及ぶ大著「新約聖書のギリシア語文法」(教友社)も、新約聖書ギリシア語小事典と共に用いられることを強くお勧めする。邦文で書かれたギリシア語文法書で、これほど詳しいものは嘗て存在したことがなかった。まさに本邦初の大著である。
新約ギリシャ語-日本語の辞書としては最良。 ★★★★★
ポケット版の割には値段が高く、泣きそうになります。でも新約ギリシャ語日本語辞典としては、内容は同じくらいの値段のもの(たとえば岩隈辞典)をはるかに凌駕しています。この辞書と岩波の『ギリシャ語入門』(田中・松平著)があれば、十分新約聖書の著者に肉薄できます。ただし織田さんの文法のとらえかたは、伝統的な『ギリシャ語入門』とはちょっとちがいます。でも「田中松平」の文法書をクリアしてる人なら、心配はないはず。なによりも、語源、本来の意味が記されているのがうれしいです。「わたしはバウアー、メンゲ、オックスフォードを使っているから必要ありません」っていう人も、だまされたと思って買っておいて、損はありません。
日本の生んだヘレにストによるギリシャ語辞典 ★★★★★
 概してドイツ語、英語圏で学んできたという新約聖書ギリシャ語学者は、単語の意味論、文章の統語法の数学的知識には精通しているが、ギリシャ人たちの生活の中で話されてきた、躍動する、生きた言語としてのギリシャ語に関する知識は殆どない。それは、とりもなおさず、その生きた言語の中に身を置いて生活したことがないからだ。それ故、時に、新約聖書時代からだけ抜き出した数学的データのみに頼り、珍妙な誤解をする。ギリシャ人の中学、高校生にすら一目瞭然の勘違いを、世界の新約聖書学をリードする碩学たちが犯すのである。学者たちは便宜上、古典期ギリシャ語、コイネー期ギリシャ語(新約聖書時代)、ビザンチン期ギリシャ語、現代ギリシャ語などと区分けをするが、本来、言語は常に変化し続ける生き物であって、ひとつの時代だけを抜き出してなす、数学的研究など成り立とうはずはない。新約聖書ギリシャ語の全体的把握は、その前(古典期)と後ろ(現代)を見ないでは到底期待できないのである。

 その点、日本人初ギリシャ国立アテネ大学卒業生、という肩書きを持つ織田昭氏の「新約聖書ギリシャ語小辞典」(第四版)は、一味も二味も違う。織田氏は生きたギリシャ語の中で実際に生活し、数学的には決して説明し切れない、生き物であるギリシャ語の持つ微妙な呼吸を体得された数少ない日本人である。しかも、数学的データと生き物であるギリシャ語の学研が上手く調和された、ギリシャ語研究機関世界最高峰のアテネ大学の言語学教室で研究をされたのである。だから、その織田氏により第四版まで重ねられたこの「新約聖書ギリシャ語小辞典」は信頼に足りる。しかもサイズはポケット版だから、携帯に大変便利である。本書を、清い心と正しい良心(ギリシャ的表現)から、新約聖書の学徒は言うに及ばず、古典ギリシャ語、現代ギリシャ語の学徒にも自信を持ってお勧めする。

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