法律・制度の最新状況が分かります
★★★★★
本書は、循環型社会の全体像、廃掃法、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法、建築リサイクル法、食品リサイクル法、不法投棄対策関連法について、それぞれ章を分けて解説しています。
法制度の全体像、出版時の最新の施行状況、成果と問題点の分析、関連施設の見学など、幅広い情報を簡潔にまとめています。
タイトルから想像して、「循環型社会とはかくあるべき」というのを大上段に論じた本と思っていましたが、実は現実を見据えて地に足のついた分析を行っている良書です。国の白書のように情報量が多いですが、的を絞って紹介しているため読みにくさはないです。また、様々な学説、論文、報道を踏まえた分析と批判も面白く、大上段に構えたいやらしさと言うのもありません。
廃棄物・リサイクル・3R・循環型社会の現実と将来について知りたい方に、是非手に取っていただきたいと思います。
ルビが気になるが…
★★★★☆
第一線で活躍されている環境経済学者である吉田文和先生の最新の著作である.
タイトルにあるように,循環型社会に関する,とりわけ制度面の網羅性が売りであると思われる.
植田・喜多川編『循環型社会ハンドブック』が入門書(章によっては専門書といってもよいものもあるが…)であるとすれば,本書は新書ではあるが,それに最新の知見を踏まえて分析を行ったものであるといえよう.
ただ,同じく第一線で活躍されている環境経済学者である細田衛士先生の影響か,「制度=レジーム,参加者=アクターetc.」のルビがほぼ全て(?)についており,読みにくく感じるのは私だけであろうか.
いずれにせよ,内容としてはよくまとまっており,註も充実している事から,はじめの一冊としては申し分ないと思われる.