男女の間の新たな道徳規範!?
★★★★★
前作「女はなぜ突然怒り出すのか?」に続き、女性脳と男性脳の違いを語り、相互理解が進むよう、助言を与えて下さっています。これに加えて本書では、男女の差を異文化と捉え、「男の自尊心」と「女の自尊心」について、相互不可侵と助け合いを提唱されました。互いに魅かれて一緒になった夫婦が、独りではできない人間的成長のあり方も説いています。
ノウハウレベルの話から、一段階上がって、道徳規範のレベルに話が及んでいます。かつて女性は、弱い立場から女性解放を訴えましたが、今や、か弱き男性を保護する余裕さえ感じます。
感情を蓄積するのに、男はザル、女はバケツ!
★★★★☆
タイトルを見ると男向けの恋愛相談みたいに一見みえるけれど、実はまじめで、実用的な本。
以前、男と女の脳の違いを分析した本「話を聞かない男、地図が読めない女」があり、内容は
ちょっとかぶっている部分もあるが、特におもしろかったのは、感情、とくにネガティブな
感情をつかさどる脳は、男は脳幹のそばの原始的で本能的な部分が主に使われるのに対して、
女は新しい脳である大脳皮質が使われることだ。
それにより、男は感情を一時的な神経のたかぶりとして、サラっとうけながしてしまうが、
女は、それを言語的に整理して、記憶領域にためこむ。
作者はそれを、男はザル、女はバケツと、非常にうまい表現であらわす。これは個人的に
すごく納得で、僕ら男は、もうすんでしまった感情などなんの価値も見出さないので、
なんでオンナドモ(失礼!)は、あのとき、つらい思いをしただのと昔のことをグチグチと
ひきだすような無意味なことをするのだろうかと思っていたが、脳の違いからきているのか
と納得。
しかも、バケツがあふれると、その下にタライがあり、それがあふれると、さらに大きなタライ
があり、女の恨み言を溜める領域には果てが無いというのには爆笑、兼、恐怖だった。
秀逸な見出しだけでも一読の価値あります
★★★★☆
前作「女はなぜ突然怒り出すのか?」の続編でいわば「性差本」。
心療内科医師として、女子のなやみにも男子の嘆きにも対応してきた豊富な臨床経験に基づく解説は類書の追随をゆるさず、楽しく納得しながら読める本です。
本書は中見出し、小見出しの付け方が秀逸です。
「女はバケツ、男はザル」:脳における感情の処理方法。男の「感情」は大脳皮質に上がらないレベルで処理されることが多いため「根に持つ」ことが少ない、というか、そもそも男は自分自身の感情を知らず、表現することばも持たない・・な〜るほど。
「女は男の浮気は許せない(「浮体」ならOK)」:はぁ、そういうものですか・・
「男は英雄物語、女は救出されるお姫様」:う〜んクリアカットすぎませんかね・・
「敗北のストレスから身を守るため男は引きこもり女は拒食する」・・確かに男子の拒食症はほとんどいませんがね・・
う〜ん、受けをねらって単純化しているのでしょう。いちいち納得は出来るのですが、「男=テストステロン」「女=エストロゲン」に支配された生き物という論調は、前思春期→思春期→成熟期→更年期→老年期というライフステージに伴った変化や、セクシャルマイノリティーに対する理解や配慮が少ないようにも思えました。
少なくともパートナー同士でお互いのエストロゲンやテストステロンを低下させるようなストレスは作るべきではない、というころはまさに正鵠でありますが、生殖活動を卒業してからの男女のあり方がわかりません・・老年期、七十でも八十でも現役・・という男女もいるようですが・・まったく信じられないワタシは、実はセクスレス歴十年以上の二児の父です。
今回も図星感が高い
★★★★★
前著(「女はなぜ突然怒り出すのか」)がおもしろかったので、期待をして買ってみた。題名は、ちょっとずれているかなと感じる。もう少し、いろいろな場面での男女関係をカバーしているように思う。
前著同様、時間をかけて得た自分の生活実感と整合的な話が多く納得できる。
最近の男女の結婚観についての分析が言い得ていておもしろい。
(女性の見方)
女は、基本的には「男に連れ出して欲しい存在」。
しかし、自分のポジションをしっかり築き上げている昨今の働く女たちにそれを捨て去ってまで別の世界に連れて行く決心をさせるには、男達も相当なエネルギーを要するに違いない。
(男性の見方)
女が勝手に作り上げた理想の男性像と比べられ、やれ年収が少ないの、やれ価値観が違うのとやられては、プライドの高い男としてはたまったものではない。
「どうせ、彼女と話したってプライドを傷つけられるだけだ」と憶測することで多くの女との接触を拒んでいる。
男は、自分の弱い部分に触れられること、自分の弱さを指摘されることに大変強い不快感を抱いているのである。
それ以外にも興味深い点は、
・女の脳は不満を貯めるが、男の脳はその場しのぎ。それは原因が解明されていて、男女で感情を処理する場所が違うから。
女性は大脳皮質の前頭葉、男性は扁桃体であり、女性が高度な部分で処理している分、言語でそれを表現しようとする、また、長期記憶に繋がりやすいと言うことだ。
一方、男はカーッと怒ってもすぐに忘れるケースが多い。
・女にとってメールは「会話」であるが、男にとっては、「手紙」に過ぎない。従って、女性のメールを返信しないと、無視したと考えられてしまう。
また、女にとってセックスはコミュニケーション(男はむしろ「生理的行為」)。
・女性が近視眼的なのは、女性の肉体に理由がある。
一定でない心と体を抱えて何とか日常をこなすことにエネルギーの大半を費やしてしまう。
・「男は自分が助けた女を好きになる」という法則性を、女は無意識に心得ているようだ。
その証拠に大多数の女は、男に助けを求めることを躊躇しない。女たちにとっては「助けてくれるかどうか」が重要な問題だ。
・ストレス回避行動は、「安全な居場所」に帰ること。女は、「美しさ」であり「若さ」であり、そこに帰るために拒食に走る(そうすればみんなが助けてくれる)。
男にとっては、「自分の家」であり「自分の部屋」であることから、引きこもってしまう。
上ネタではなく下ネタ
★★★★☆
ジェンダー論者は男と女の違いを決めるのは下半身ではなく耳の間の出来事。下ネタではなく上ネタなのであると言う。
生理学者は男と女の違いは体の違い。機能の違いと言う。
この本は下ネタの話。
性差を超えてお付き合いするのは異文化交流に似てる。その文化摩擦を緩和するのにこの本を役立ててくださいよという首肯である。
身体の違いや脳機能の違い。考え方の違いをよく説明できていると思います。
つがいのタコを捕まえるのならまずメスのタコから捕まえろ。オスを先に捕まえたらメスは逃げてしまうが、メスを先に捕まえるとオスは後追いする。という話を思い出した(笑
支配欲求や思い込みを捨てよ。執着しつつ執着を手放せという禅問答のようなことを考えながら読んでしまいました。
最後のほうでは男のプライドをむやみに傷つけたり、無神経に傷つけるのはセクハラだと書いています。これは非常にわかりやすい例えだと思います。男の沽券や自尊心を損なう会話はやめるべきだという著者の物言いは見事。こういうテーマの内容だとどうしても女寄りになりがちな物が本当に多い中で、中立を保ちつつ女も男も歩み寄れという書き方が珍しかった。
男はなるべくつまらないプライドを捨てなさい。社会適用や人間関係の構築をもっと柔軟にしていくために自分を譲りなさい。
女はもっと男の扱いを学びましょう。女遊びの時のようにガールズトークのノリで男と会話したりするのはやめよ。知らずに人を追い込むことになるよ。
といった内容がよかった。事例報告だけで「ならどうしたらいいのよ、、、」といった投げっぱなしの物が多い中。この本では具体的な歩み寄り方が提示されてます。女性によるセクハラという概念がもっとこの国に広がればいいと思います。セクハラやストーカー規制のおかげでこの国の男性は迂闊に異性とコミュニケーションが取れなくなりました。社会の風は男には本当に冷たく寒すぎます。
昨今ではハニーエントラップメントを始めとする女性犯罪者も増えている状況です。性差をモノともしないコミュニケーション能力はより良い人間関係構築だけではなく自分を守るための護身にも必要です。
モテてぇーとこの本を読みましたがまったく別の事を考えさせてくれる本でした。最後には一人の人と真面目にお付き合いする奴なんてマヌケなことなんじゃないかとも思いましたが。難しい問題ですね。不信感を根底に人付き合いするなんて安心とは程遠い考え方ですが人に利用されるだけの人生もイヤですよね。
恋人とイイ関係を築ける人は本当に幸せモンですよね。