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仏果を得ず

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 双葉社
Amazon.co.jpで確認
思わず一気読み ★★★★★
勝田文さんのイラストが気になって手に取った。
最後の最後までタイトルの意味は明かされない。
ひっぱってぴっぱって、最後に大納得。
これまで文楽を観たことはなかったが、それでもグイグイと読み手をその世界に連れていってくれる著者の筆力に脱帽です。
文楽にかける熱く面白い青春物語。表紙やタイトルで判断せず読んで欲しい。 ★★★★★
三浦しをんは結構好きで、これまでに何冊も読んでいて8割が再読したいと思うレベルなのだが、これはタイトルと表紙がつまらなそうで、読まず嫌いしていた。

先日、あまりに暇なので古本屋に行ったら、これを見つけてちょっと読んだら面白かったので買って帰った。最後まで最初の期待を裏切る事無く、とても有意義な時間が過ごせた。名作である。

ストーリーは、文楽という伝統芸能に人生をかける主人公が、一人前の芸人になっていきつつ、恋もしつつの青春物語。三浦しをんはあまり世間に知られていない世界を題材にする事が多いが描写が上手いので、読むと必ず駅伝が見たくなったり、林業に興味を持ったりしてしまうが、これを読んだ後は案の定文楽に興味が沸いて仕方が無い。
推理小説も真っ青です(笑) ★★★★☆
「神去なあなあ日常」を読み、「仏果を得ず」に逆走(?)しています
「神去・・・」に比べて文字がぎっしりなので、最初はのろのろ読み進めましたが、
1.登場人物たちの謎(?)が徐々に解けてくる
2.文楽の演目とシンクロして主人公「健」の私生活と修業の苦悩が描かれ
3.登場人物たちのやりとりが絵画的(マンガチック)描写で絶妙な面白さ
といった、楽しみが、ページが進むほどに加速して、
後半部分はやめられない、とまらない状態。
そして、読了した瞬間、最初のページに戻って読み返し
ああ、ここはそういうことだったのね〜とまるで上質の推理小説を読んだときと
同じ状況にハマりました。
ひとつだけ困ったのは主人公の名前。「健」はタケルと読むのですが
つい、ケンと読むこと数限りなく…。
山深き過疎地に住まう身なれど、いつの日か観に行かん文楽を! ★★★★★
修学旅行先で人間国宝笹本銀太夫との衝撃の出会いを機に文楽の世界に飛び込んだ健。研修所を経て技芸員に。銀太夫に弟子入りし、奔放でお茶目なそれでいて芸一筋の師匠に振り回され続けながら、相方三味線につけられた「芸道の鬼」の兎一郎兄さんの人を寄せ付けないオーラの意味を知り、「長生きすればできる」に籠められた思いに気づき、認めてもらいたいと一層の精進をする。『女殺油地獄』は人を惹きつける色気のある与兵衛が生まれついた家柄で決まる人生に反発し放蕩の限りを尽くした末、親切にしてくれていた油商の女房お吉を殺してしまう世話物。『仮名手本忠臣蔵』は忠義に翻弄される人の心の苦しみと葛藤を描いた時代物。命を持たぬ人形に義太夫の語りと三味線・人形遣いが一体となって命を吹き込み色香を放ち、哀れを誘う渾身の舞台に劇場の観客は心を一つに食い入る。「金色に輝く仏果などいるものか。・・・」と健が内心で叫ぶ。あの世で無くこの世で欲しいものを手にする ! 迫力あります。300年以上も語り継がれてきた無形文化遺産の文楽。知らないから・・・と読むのを躊躇ったら絶対損です!
会話のうまさに魅力 ★★★★★
三浦しをんの作品は、「まほろ駅前多田便利軒」「風が強く吹いている」と続けて、これが三冊目ですが、どんどん文章がうまくなっていると思います。とくに秀逸と思うのが、会話の部分です。文楽の楽屋など見たこともないのに、そこで繰り広げられる師匠銀太夫と主人公健、そして兄弟子たちの軽妙な会話を読んでいると、情景が目に浮かびます。そして、思わず吹き出してしまう面白さです。青春小説と言っても良いと思いますが、その種の小説に時々見受けられる、「今の若者が、こんな会話するかなあ?」と思うような不自然さがなく、でも、まっすぐに自分の生き方と格闘する者の気持ちや行動が、よく表現されていると思います。題材も多彩で、次はどんな設定の小説を読ませてくれるのだろうと期待してしまう作家です。