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リストカット―自傷行為をのりこえる (講談社現代新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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リストカット、する人対応する人に贈る… ★★★★☆
自傷行為。それは人が自分で自分の肉体を破壊するという、理屈では到底説明の付かない行為だ。しかし、近年のテレビドラマ、マンガ等のサブカルチャーで話題にされまた、「メンヘラー」などの言葉の台頭とともに、それはもはや我々にとってまるで別世界で起きていることではなくなりつつある。

本書はタイトルのまんま直球で、リストカットに代表される自傷行為とその対応についてまとめられた新書。
前半六章までは、自傷行為とは何かというその定義の説明、発生要因、実症例の紹介、あるいは自殺未遂との連続性、さらには精神疾患(摂食障害、うつ病など)との関連性が解説される。七章からは、自傷行為者の周囲の人間の対応の仕方、医療機関での治療方法などが解説される。文章は本業が精神科医とは思えないほど、コンパクトでまとまっている。悪い意味ではなく、ライターのように臭いのしないクセのない文章だ。

本書で著者が繰り返し論じるのは、自傷とは自傷者にとってなんらかの「メッセージ」であるということ。それは対人関係や社会、はたまた脳内の気質などのなんらか要因のよって、本人が苦しんでいることを周囲に伝えようとしている側面があるのだ。
そしてもう一つ強調されるのは、その周囲の人間の対応において重要なのは、自傷者本人と適当な距離を維持しながらも本人に対して、「これは自分自身の問題なんだ」ということを理解させるということなのだそうだ。このことは、たとえ医療機関での治療に踏み切ったとしても、前段階として必要であるらしく、実際に自傷行為をしている人が周りにいて、さらにそれを何とかしてあげたいという人は読むべきだろう。
本の最後には、自傷行為をする側、自傷者を援助する側双方に向けて、著者からの「贈る言葉」が収録されている(なぜか本文とフォントも変わっている)。それも必読だ。

最後に私事ながら、僕の中学三年生のころ、クラスメートにY本さんという女子がいた。大人しく寡黙な子だったのだが、給食をおそらく一年間一度も手を付けなかった。給食時間座ったまま微動だにしなかったのだ。それだけでもなかなかの逸材なのだが、僕が記憶に残っているのはある授業の終わった後、トイレに立った際、たまたま見たそのY本さんの机の上に落ちていたのは無数の髪の毛。授業中に自分で抜いていたのだろう。ぎょっとしたのを覚えている。本書では取り上げられていないが、自傷行為の「その他」にもしかすると入るのではないか。
寡黙だった彼女は当時のあのにぎやかなクラスのなかで、僕らにいったい何を伝えようとしていたのだろうか?
良心的な本 ★★★★★
自傷行為や境界性人格障害についてはかなり怪しい本が多い。しかし、本書は臨床家としても研究者としても著名な精神科医によるものであり、安心して読める。この本を読んでさらに興味を持った方は、次に「人格障害の臨床評価と治療」(金剛出版)などがお奨め。ただし、こちらはかなり専門的。
入門書としてわかりやすい ★★★★★
リストカットについて、発生要因や対応方法、対処法、治療法など全般的に書かれてある。新書としては若干用語がなじみにくいものもあるかと思うが、読みやすく入門書としてはお勧めだと思う。