やはりコーパス(実際にネイティブが使用する言語データ)に基づいて作成されている点が今までの英和辞典と大きく異なる。また一般に現存する英和辞典は古い記述(現在では使用されていない表現や用法)をそのまま掲載してきた。それらが時としてネイティブとの会話で支障をきたすこともあり、言語事実を確実に提示する役割を果たすべき辞書のあり方に問題があったと考えられる。その点、『ユース英和』は、はしがきにもあるように極力古い表現を削除しコーパスから英語の現状を忠実に反映した例文並びに用法を掲載している。これは他の英和辞典と比較したら明らかであり、画期的な試みであると思う。
また語法や用法への説明にしても専門知識のない一般ユーザーにも理解できる言葉で示されており、大学受験にも十分に対応できる構成となっているので一般の方・高校生でも気軽に利用できる辞書である。ただ一点、紙面上の問題もあるが、例文をもう少し増やすことができればとも感じる。
『ユース英和』は、上手く活用することで、大いに現代英語を習得できる、ユーザーフレンドリーな辞書であると思う。