難解な言葉は受け入れずらいかも
★★★☆☆
佐保田先生のヨーガスートラの関する解説書だが,正直な話,解説に解説が必要なくらい難解な造語とでも呼べる語句があり,読みずらいという感想は否めないです.個人としては,そう厳密な論理構築をして解釈する必要はヨーガスートラにはないのではと思われてなりません.こういったものは必ず論理的なギャップは付き物で,それをあえて言葉でしかも難解な日本語で埋める必要は無いように思われます.副題をつけるとすれば「東洋哲学とヨーガスートラ」といったところでしょうか.
ヨーガを知的に探るための基本書
★★★★★
ヨーガ・スートラとは、ヨーガについての思想が組織的な形で記載されている最古の文献であり、またヨーガ思想を知るための基本文献である。
本書は、大学でインド哲学等の教授等を歴任した著者が、自らのヨーガ経験をも踏まえて、ヨーガ・スートラに解説をほどこしたものである。
同じような趣旨のヨーガ・スートラ解説書には、スワミ・サッチダーナンダ師のものもあるが、
スワミ・サッチダーナンダ師の書が、「丁寧にやさしく、例となるビジョンを示して、読む者をヨーガ・スートラの理解へと導く」という手法をとっているのに対し、
佐保田師の本書は「厳格な用語法と論理的思考を重ね、現代に通じる磐石なヨーガ理論を提示する」という体裁のものになっている。
本書は、用語法や論理が厳格で緻密な分、難解ということもあるかもしれない。
しかし、ここでの用語法等は、仏教学や心理学でも使われる類のものであり、ヨーガだけでなく関連分野の書を読むためにも役立つものである。
この書は、何度も読むことによって、ヨーガについて湧き上がるさまざまな知的探究心を満たし、深めてくれることだろう。
また、思いついた時に本書を手にし、読むことによって、毎日のヨーガ的生活について、何からの新しいひらめきも得られるかもしれない。
本書は、ヨーガを知的に探ろうとする者にとっては、必読の書といっても過言ではないだろう。
読めば読むほど腑に落ちる本
★★★★★
読めば読むほど腑に落ちる本でもありまして、これ(ヨーガ)が1000年以上も前にできたとは思えないほど「新しさ」を感じる内容です。
いたって冷静に心の仕組みを解き明かしている科学的な内容ともいえますし、コンピュータ・サイエンスににも通じる哲学体系ともいえます。また、近代の心理学的にも通じる内容でもあり、とても深く、そして「新しい」内容と思えます。
バラモン経典などのインドの古典や、ヨーガの成立とほぼ同じ時代と思われる原始仏教、ジャイナ経典などを併せて読んでみると、この本の面白さは数倍になりそうです。特に、サンーキャ哲学はヨーガ思想と深い関係がありますので、併せて読むとそれだけで数十倍の面白さがあると思います。
宗教としてのヨーガの特徴は、「自分のため」の宗教というところでしょうか。他の宗教では多く見られる処世術的なことや、自分以外の世間とのコミュニケーションのようなことが殆ど見られず、いたって冷静に心を分析・理解し、より高い英智を獲得していくというのが特徴的です。僕はこの感じがとても気に入っています(・v・)。
わからないものを評価しないこと
★★★★★
佐保田鶴治先生はヨーガの偉大な紹介者であり、実践的な指導者のお一人でもあられた。先生が残された書物は数多いが、中でも本書と「ヨーガ根本教典」とは伝統的ヨーガを真摯な態度で修行する者にとって必読の書、バイブルと言っても差し支えないと思う。
最近、さまざまなメソッドを加味したニューウェーブのヨーガがブームであるが、その事自体をとやかく言うつもりはない。だが、偉大なる先人の労作を「難しくて理解できなかった」と言う理由で低く評価するのはいかがなものか。星の数で評価するシステムなので、レビューの内容まで読まずに判断する方にとっては星の数がそのまま、その作品の内容に対する評価となる。
偉大な書に星二つの評価なので驚いた。
難解 ヨーガ・ストーラ
★★☆☆☆
ヨーガの思想を組織的に記した最も古い文献ということで、最近ヨガにはまった私はヨガについてもっと深く知識を深めたいと思い読み始めましたが、難しすぎて理解しにくく頭に全くはいっていきません。
なんとか読みきりましたが、この本は一度呼んだだけではヨーガ思想がわかりそうもありません。もう少し精神的にも熟練したら理解できるようになるのでしょうか。