各登場人物の描き方が粗く薄い感じが。。
★★★☆☆
ストーリーは面白く、純情で直情的な少年が同級の少女をずっと愛するという
切なく感傷的な主軸は良かったと思います。
しかし、ヒロインの心変わりとその後の行動はあまりにも理不尽で薄情過ぎて
全く感情移入ができない。
第二部では、主眼が老刑事に移るので、多少違和感も感じますが、少年の神秘
的な性質を表現する為にはこの変更は良かったと思います。
しかし、ラストは良かったです。主人公の、遠い日の約束を守り通した気質に
は素直に感動できました。
蛇足:1988年当時、高校生の間ではポケベルもルーズソックスも流行ってい
ないと思いました。(両方流行り始めたのは1993年位だった気が。。)
おもしろい
★★★★★
日本には、数多くの刑事ドラマや映画があるが、まずこれを映像化してほしいと思う。かなりおもしろいと思う。
題名で損していますが
★★★★★
この作家さんの本は初めて読みました。
主人公の人物像がうまくできていて引き込まれました。
刑事物でありミステリーが絡み、結末は苦いのですが
あくまで愛を貫き通した、主人公の悲しいまでの愚直さが
身に沁みます。
男の人の純粋な思いと対照的に、恋人だった少女のその後の行き方は
あまりにも他人まかせで、自分というものがないのも哀れでした。
主人公が本当に伝えたかったことは最後にはつたわったのでしょうか?
伝わったのだと私は信じたいです。
一途な純愛には泣けますが
★★★☆☆
舞台はバブル絶頂期の東京足立区、都立高校に通う剣道部所属の3人の高校生。
彼らの運命を変えてしまう一家3人惨殺事件が発生。
家庭教師として現場に居合わせながら、一人生き残った広田杏子。
彼女を信じ切れなかった彼、十川慧一。同学年のすかした遊び人中井秀郎。
第1部は事件までを、第2部は19年後、事件解決までを描いています。
一気に読破しました。
杏子の行き場の無い怒りと哀しさ、十川の想いの一途さには涙しました。
が、第1部は、宮部みゆきの『理由』がオーバーラップしてしまい、
第2部は話が飛びすぎて、3人の変化に感情移入が難しく、
事件解決のキーマンである、定年間近の刑事吾妻健作が、身勝手な無能刑事としか思えず、
グロテスクな描写には、ちょっと辟易してしまいました。
ほんのささいな捜査上の見落としや手抜きが、
事件を迷宮入りにしてしまう恐さにぞっとします。
涙をぬぐってください…か
★★★★☆
「サイレント・ボーダー」以来の傑作犯罪小説です。悪役モンスターを造形するのが、ちょっとパターン化してましたが、二人の男の純情が美しく描かれていました。予想外のどんでん返しより、これくらいの<くるぞくるぞ、キターッ>っていうトリックのほうがサスペンスとしては楽しめました。
19年前、もう泣かないと誓った言葉と、クライマックスでの涙関係のセリフと、ラストの味のあるシーンとが、この小説のキモだと思います。じーんとしました。