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事件現場清掃人が行く

価格: ¥1,500
カテゴリ: 単行本
ブランド: 飛鳥新社
Amazon.co.jpで確認
考えさせられました ★★★★★
この本では死後数日〜数年を経て発見された方達の現場(室内)の様子とその後の清掃について書かれているだけでなく、著者がどの様にしてこの仕事と深く関わるようになったのか、その経緯についても触れられています。
死後時間が経過した遺体発見現場の描写が淡々と書かれていることによってかえって生々しさが伝わってきました。
入浴中に追い炊きをかけた状態で亡くなられた老婆が入っていた浴室の清掃のエピソードが特に印象に残りました。あまりの惨状に警察が遺族に現場を見せるのをためらい、著者が清掃のために呼ばれることに。体液と血液等が混ぜ合わさった状態でゼリー状になってしまった残り湯をすくい取りながら、防毒マスクをしていてもあまりの臭気で卒倒しそうになるのを耐えながら、世話になった老婆の最期の場を拝みたい遺族の為に綺麗に仕上げていく様はこの仕事の真骨頂といえるのではないかと思いました。
それにしても、年間自殺者三万人以上、超高齢化、核家族化で身寄りのない人たちが激増している日本では、今後この様な現場はますます増えていくことになるのは間違いないのに行政が全く対応しきれていないのが非常に心許ないです。
畳の上で死んではいけない ★★★★☆
かつて畳の上で死ぬということは天寿を全うし家族に看取られながら
安らかな最期を迎えることを意味していた。

しかし今日において現実はその意味を甚だ異にしている。

トラは死して皮を残すというが人は死して途方も無いシミとなる。
そして著者に代表される特殊清掃人が超人的な労力で痕跡を消し去ってゆく。
作業の代価を係累が負担してくれればよいが、手を挙げる者が誰もいないときは
大家が負担せざるを得ない。此処に至って死は悼まれる対象ではなく
厄介な災厄でしかない。このような死の尊厳を誰が守ってくれるのだろうか。

淡々とした筆致が却って凄惨な仕事現場と酸鼻を極める作業の内容を印象付けて
いる。極力感傷を排除することで著者は精神のバランスを保っているのかもしれない。

あなたが今ここで死んで気づいてくれる人はいるだろうか?
独りなら畳の上で死んではいけない。
餅は餅屋に ★★☆☆☆
孤独死という問題は今後もっと受け止める必要があるだろう。
と同時に、孤独死のあった住居という専門性の高いハウスクリーニング業も今後伸びてゆく市場といえる。
その仕事は通常のハウスクリーニングに比べて、確かに苦労や問われる成果も厳しいことだろう。著者は事件現場を専門に行う清掃会社の経営者であり、人の死に関連した仕事に対する姿勢も真摯に向き合っているであろうことも理解できる。

しかしながら、読後感としては、さほどでもない。
ジャンルはやや異なるが藤野眞功著「刑務所の掟 バタス」(講談社)や石井光太著「レンタルチャイルド」(新潮社)という本業のライターが書いた一級のノンフィクションと同時期に読んでしまったことも大きいとは思う。
ハウスクリーニングの分野でも事件現場清掃がより専門性が問われるように、書籍にしてもやはり専門のライターによる仕事には叶わないはずだ。
著者に限らず、他業種の執筆者が書くビジネス本・指南書の多くは、当たり障りのない「よい人」文体で書かれるが(「プロ」のゴーストライターが代筆した場合でも素人が誠実に書いたように書く)、かえって真に迫らないことも多い。
この事件清掃の現場や孤独死の問題もプロのルポライターが書いたものであれば、著者が問いかけている事件現場業界の問題にももっと迫れたはずだろうし、「しょせん会社の宣伝か」という印象もぬぐわれたことと思う。
出版不況の要因をここに求めるのは早計かもしれないが、読者としてはしっかりとした書籍を読みたいものである。

★の評価は価格に対して。新書程度であれば★3つでもよいだろう。
編集者が立てた見出しかもしれないが、「ダース・ベイダーからの電話」、「お風呂で煮込まれたお婆さん」という表現も、いかがなものかと思った。
あまりにも過酷な仕事 ★★★★★
死後何日も経過すると、その死体からウジ虫やハサミ虫ゴキブリなどが大量発生し
猛烈な激臭ととともに、体から体液や血液が流れ出しその家を汚染する。
それをきれいに清掃し、元通りにするのがこの特殊清掃人の仕事である。
誰かがやらなくてはいけない仕事だが、誰もやりたくないであろう仕事である。
そんな仕事を、著者は完璧なプロ意識で汚染された現場を何事もなかったように元通りに戻す。
著者がなぜそこまでやるのか?ひとえに死者への尊厳とよるものだという。本当に頭が下がる。
こまで来るのに著者に紆余曲折の人生があったとはいえ、驚嘆と尊敬の念が絶えない。

自殺した人の体から、虫が沸き、激臭を放ち、遺体から流れ出した液体がどれだけの人に迷惑をかけるか。
いろいろな事情があったとしても、自殺した人もここまでの迷惑をかけるのは本意ではないだろうと言う。
著者は死者を供養するという意味でも清掃に励む。全く頭が下がる。自殺を考えている人は
この本を読んでよく考えて欲しい。

これから日本は、孤独死の問題も深刻である。「家つき、カーつき、ババア抜き」と自由を謳歌した団塊の
世代が自分がババアになり、孤独死の問題に直面する。皮肉であるが、ひとりで亡くなって朽ち落ちて行く
遺体の後始末にかかる費用を保険化する。あるいは、公的制度を充実させる。著者の意見に大賛成である。

この本には現代日本の病巣をある視点から鋭く切り込んでいる良書である。
使命 ★★★★★
こんなに使命感に燃えて働く人はいるのだろうか?

同じ経営者の立場で、使命感に燃えて働くことの素晴らしさと、
人は、このように働かなければならないと痛感した。

よりよい社会を創るために、著者を応援したいと思った。