ニヒリズムを超えて
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現代は「ニヒリズム」の時代といえます。拠り所となるような価値観を見出せず、そのため人々はいたずらに拠り所を求めようとする。しかしどれも拠り所とはなりえない・・・そんな時代です。
さてこういった「どんづまり」な状況で私たちは「人間」という存在をもう一度見つめなおす必要があります。西谷先生は禅の立場からそれは「空」であるといいます。「人間」という確固たる「もの」が存在するのではなく、つねに存在は流転しているということです。
もちろん西洋の合理主義に染まりつつある日本人にとって理解することは容易ではありません。しかし西谷先生の思想の中に現代を生き抜く知恵があるように思います。