うるっときた。
★★★★☆
涙を流すほどでは無いですが、後半、受が攻にぶづけた気持ちが切なく胸に響きました。
物語は、BLならではのご都合主義も多少はあります。だからこそ、重苦しくならなくていいんじゃないのかなとも思う。
受の存在は、水戸○門のいんろう的なところがありますが、そこも好みです。また、そうでもしないと一冊には収まらないだろうし、BLとしては薄くなってしまうかもしれません。
前の巻での、お国の事情や攻の立場のせいで邪魔をせざるを得なかった側近の心情、ジレンマとかは、物語の焦点が攻と受に絞られている為、懇切丁寧には書かれていません。
その辺を、ご自分で物語から読み取って好きに解釈していくのも、小説を読む醍醐味では…。
攻めがかわいそうかな?(^^;)
★★★★☆
とってもらぶらぶで、受けも攻めしか見えていない!
んだけど・・・、この本の世界的には受けが地位的にトップというか受けさえいれば王はだれでもいいような感じ。まぁ、誰でもいいわけではないんだろうけど(^^;)
すっごく大きな戦争が起こっても、受けが出てきて「おやめください!」と言うだけでみんなが「おぉ、神の子が舞い降りた〜。」といってあっけなく戦争が終る。
まぁ、戦争の原因も受けが欲しいという国どうしのいざこざでもあるのだけど・・。
世界は受けさえいれば回るのだねと思うと攻めがかわいそうかなと思う。
攻めもそんな事をポロっと言うのだけど、受けがものすごい勢いで攻めが居なくなれば私も死ぬというくらい愛されて求められてるからいいのかな。
前作で結ばれてすぐに結婚かなと思っていたけど、やはり周囲が同意しないためにひと悶着起きます(^^;)かなり受けがかわいそうな場面とかあります。みんなの前でHさせられるとか・・(^^;)王妃として受けを即位させたいゆえの王の暴走です。王のご乱心を必死で周囲がなんとかフォローしようします。
最後はみんなハッピーにまとまるので、万事オッケーです!(^^)
ラブラブの二人の運命は?
★★★★☆
前作は冴紗の視点から書かれていたけれど、今回は羅剛の視点から書かれてます。
難関を突破して無事カップルになれた羅剛…冴紗しか見えてねえ〜。
冴紗の服だけで3部屋分?ああ、もうどうにでもしてください。
冴紗は王妃と神官の一人二役で忙しいですけど、やっぱし羅剛しか見えてないかも。
めでたく婚礼の日を待つ二人に、虹の髪と瞳を持つ冴紗を奪おうと近隣諸国が戦を仕掛け、羅剛は王として決戦に望みます。
今回は冴紗が大活躍。もちろん、熱々のラブシーンも堪能できます!
現実世界がなんと言おうとファンタジーでは愛がすべてに打ち勝つのですわ。
虹霓教の木偶から羅剛の妃たる人間に戻らぬ冴紗の罪
★★☆☆☆
前巻『神官は王に愛される』で帝国に成らんとする大国として名を轟かせる侈才邏(いざいら)王国の“真の健気な美人”現国王・羅剛(らごう)は孤立無援でした。助言を装い「獣欲に滾らせる兵士たちの間に置いて冴紗(さしゃ)様が無事であるなどと楽観なさってはおられますまいな」と《七重臣》の一人・永均は自分に寄せる羅剛の信頼を利用して彼の心に自らの意志で冴紗を大神殿に売り渡し、《聖虹使(せいこうし)》にしたのだという罪悪感を刻み込むことで冴紗から心を引き離し、他の《七重臣》と共に近隣諸国の王女を娶らせ世継をと企み、冴紗を《聖虹使》に据えようと大神殿に引きずり込むために羅剛から引き離したがっていた神官どもと結託していたのですから。永均は二人を引き裂きながらもなおも取り戻そうとする羅剛が呼びつけた冴紗に崢嶮(そうけん)の王女・美優良(みゆら)との婚礼が決まったと大嘘を吹き込んで羅剛に近づくなと脅迫して追い返したり、策略を巡らしていました。そんな実の父よりも父と想う羅剛を裏切り、彼の心を踏み躙っていた永均が罰せられずに確執すらないかのように側近ヅラしているのは変ですね。
今回、黒髪黒瞳の羅剛が生まれたことで不貞を疑われた母・瓏朱(ろうしゅ)が自害し、羅剛の叔父の妻である瓏朱の妹(羅剛の叔母)の狂死により瓏朱とその妹を殺されたも同然だと恨みを抱く泓絢(おうけん)と、瓏朱と挙式の途中に羅剛の父に花嫁である瓏朱を略奪された花婿である皇子の生国・萋葩(さいは)が動機の見えない国・碣祉(けっし)に恨みを煽られ侈才邏に襲来します。ところが、碣祉の王の動機は冴紗に横恋慕した挙げ句に、羅剛を殺して冴紗を略奪しようとして戦争を引き起こした馬鹿殿の愚行でした。フェロモンを放ち信者に紛れた碣祉の王や彼と同じ邪な考えを抱く輩を引き寄せる冴紗が《聖虹使》である限り、侈才邏に災禍は際限なく齎されるでしょう。そして、信仰という名目に隠した依存と甘えを吐き出し縋るだけの民が口先だけの優しい言葉で一時癒されたとしても、その代わりに人々は自分でどうにかしようと努力することを忘れ、自分の足で立ち自分の意志で歩くことを忘れます。その元凶は他ならぬ冴紗なのですから民を他国から来る人々を本当に思うなら、優しい言葉をくれると期待して縋りつく《聖虹使》という甘えの対象であることを…いいえ、虹霓教(こうげいきょう)からも冴紗は足を洗うべきです。
本当は神官になりたくなかったし、《聖虹使》なんか余計になりたくないと思っているのですから“わたくしは、たった今、虹霓教を捨てます。そして、《聖虹使》の御役目を返上致します。羅剛様がわたくしの身を案じて預けられただけで神官にという預ける名目を利用して皆様方がわたくしと羅剛様を引き裂こうとしたことをわたくしは忘れますゆえ、皆様方もわたくしのことは忘れて下さいませ!詣でる方々を見捨てるようで心苦しゅうございますが、《侈才邏王妃》も《聖虹使》も責任は重く片手間にどちらもというのは至難の業、いえ、不可能でございましょう!!わたくしは誰よりも何よりも羅剛様が大切なのです。これからは羅剛様のことだけを想い、羅剛様のためだけに生きてまいります。”と羅剛の求婚を自らの意志で受け入れ、それを機に還俗し虹霓教と縁を切るべきでした。他のレビューを書いた人ばかりか作者の吉田珠姫にまで“暑苦しい”“無体な仕打ちをする暴君”と書かれるのは謎です。しかし、一夫一婦制であり国王が精を注ぐ相手は一人だけしか許されない侈才邏の掟を利用して衆人環視の中で《婚姻の儀》を強行しなければ重臣どもは観念しませんでした。それでも、肝心の冴紗は王としての羅剛のためにならぬと一人の男としての羅剛の心を踏み躙って逃げまくるのですから、呆れます。そして、羅剛の恋の暴走に遂に冴紗と引き裂く罪を悔い改め、求婚に送り出した重臣どもも羅剛に随行した永均も逃げまくる冴紗ほどではありませんが、やはり往生際が悪いですね。
しかし、冴紗には自分の意志というものがありません。羅剛の求婚を受け入れたのも《王妃》と《聖虹使》の二役をやれと最長老に命じられたから。たかが虹色の髪と瞳というだけで神の御子と呼ぶ民が望んでいるからと、自分は神官にさえなりたくなかったから余計になりたくない《聖虹使》になろうとするのは、大神殿の最長老に洗脳された木偶である証拠です。元々、冴紗をすぐに大神殿に渡すのが当然と思い上がった神官どもがいつまで経っても渡そうとしない羅剛に不満を抱き、羅剛が冴紗に恋心を抱いていることを知った王宮の重臣どもがその神官どもと利害が一致して共同謀議により引き裂いたのが羅剛の苦しみの始まりでした。終始自分のことしか考えない醜さは今回の『〜狂わせる』でも変わらずに冴紗は自分を疎んで大神殿に追いやったのだと思い込み羅剛の心を踏みつけ被害妄想の恨みに浸っていたので、本人が口で言うほど苦しんではいません。と言うよりも、自分だけは傷つきたくなくて安全圏にいて黙ったままで、何もしないで事が鎮まるのを待つだけ!誰にもいい顔をしようとする八方美人の偽善者です。
このシリーズは胸に重苦しいモノがズンっと溜まり幸せとはほど遠い気分に陥ります。4年前の神殿行きに始まり現在に至るまでの冴紗を返してくれという羅剛の懇願を握り潰し冴紗に隠匿していた大神殿の陰謀を知ったのに虹霓教を捨てない冴紗のせいで羅剛は“冠する者の孤独”というのを差し引いても人間として孤独であり、恋の闇に堕ち地獄を彷徨っています。冴紗が自分と羅剛を引き裂いた大神殿の最長老どもの腹黒い本性を知ったのに骨の髄まで虹霓教に汚染された冴紗は認識せずに言いなりになって虹霓教の下僕であり続け《聖虹使》という現人神であり続ける罪を犯し、それを許す羅剛が一方的に苦痛を味わうのが、辛いからです。本当は神官ではない冴紗に大神殿で1年の半分を過ごさせ《虹霓教聖虹使》にするのは「神官は王〜」という題名を崩したくないから、という理由からでしょうね。そして、難解難読な漢字が多用されているのに作者は“一般では普通に使われている文字ばかり”と寝言を目を開けたまま言っています!「歔欷の声」etcと辞書を引くにも苦労てんこ盛なのに。その反動か、漢字で書けよと言いたいほどに平仮名ばかりの箇所とか、アンバランスです。
赤面必至
★★★★☆
神官シリーズの続編。
前作にて、心が通じ合った主人公おふたり、羅剛王と神官冴紗のラブラブで熱々な様をこれでもか!と堪能できます。
控えめな冴紗のとまどいも恥じらいも、蹴り倒し押し倒す勢いの羅剛王の「暑苦しいまでの愛(笑)」には思わず赤面。けれどこれだけ求められたら幸せであろう…と(笑)
一応、隣国が攻めてきたりと事件が起こったりもするけど、それも何もかも、熱い二人を盛り上げるスパイスにしか過ぎませんね。
一番恥ずかしかった羅剛王サマのセリフ…
「清らかなこの唇におのが××をくわえこませてみたい」
うひーッ!(汗)
しかし、俗世間に疲れた心が、不思議と安らぐ作品であります。まだ続編が出るみたいなので、期待。