レビューの評価が高かったので購入してみましたが、私はダメでした。
文章は読みやすく、言葉の使い方も美しく、情景が目に浮かぶかのような文章力。ストーリー的にもものすごくツボでしたが、受の神官様が乙女すぎるっ！考え方や行動はまるっきり女性です。ＢＬじゃない気がします。神官様だからこそ、もっと毅然と、凛と、強引な攻をはねつけるぐらいはして欲しかったですね。逃げるばっかりじゃダメなの〜。
乙女でかよわい受がお好みの方にはオススメかも。

ファンタジーを意識したのか、独特の台詞回しと固い文章に、違和感を感じました。けれど読んでいるうちに慣れて、気にならなくなりました。

商業BLでは久しぶりに出会った、甘いだけの物語ではなく、痛い程の切なさを感じる作品でした。

攻は言葉が足らず不器用な上、王様ゆえの傲慢さもあります。真意は違うのに、周りは皆知ってる(気づいてる)ことが、肝心の受にだけは伝わらなかったりして、延々すれ違います。

受がまた、世俗から隔離されて生活してるので、疎く鈍く、自分にも自信が無いものだから萎縮して、どんどん後ろ向きになってしまいます。

普通なら苛々させられるところですが、巧いこと可愛らしく書かれていました。

また引き離そうと邪魔する人達もいるので、二人の果てしなくも思えるすれ違いには、だいぶヤキモキさせられました。

でも、楽しめました。 切なさに飢えているという方に、オススメしたい作品です。

二人はお互いをとても愛しているんだけど、なかなかそれぞれの身分と周囲がそれを許してくれない。二人もお互い愛し合っている事に気づきません。はたからみたら？なぜ分からないのだ？と思ってしまうけど（＾＾；）
表紙を見ても分かるように受けがめちゃくちゃ綺麗で、身も心も綺麗です！それでもって、じれったくなるほど相当鈍くてありえない程謙虚です。だから、あの攻めで本当にいいのかい？（＾＾；）と思ってしまうけどね。攻めは結構我侭です。しかし、受けを思う気持ちは本物です！思いすぎるゆえに暴走してしまう事もしばしばですが・・（＾＾；）受けがかわいそすぎるという無体を強いる時もありますが、それでも受けは攻めに対して怒りや憎しみを持ったりしません。そうとうなMなのかと思う時もありますが、この受けなら「うん。純粋だからありかな。」という気分になります。
挿絵も綺麗で十分満足な一冊です！
シリーズになっていて、今までで３冊出ています。この本が一番最初で、二人が結ばれて初Hが読めます（＾＾）かなりうぶで無知な受けの様子はみものです☆
ただ、言葉の言い回しが「ならぬ。」「そうじゃの。」など王様若いのにおじいちゃんみたいな感じにしゃべります。受けも同じように「そのようなこと。」「存じませぬ。」など江戸時代みたいなしゃべり口調です。
そういうのに馴染めない人は読みにくいかも。（＾＾；）

神官と王様。どちらも責任ある地位についていて、どちらもまだ幼いほどに若く、お互いの恋心がすれ違っているのが切ないです。
表紙で見てもうっとりですが受けの神官冴紗・が超綺麗。長くのばした虹色の髪に虹色の瞳の少し気弱な彼は王に疎まれていてもいい、少しでもおそばに…なんて自分を押さえちゃってるんですね。
そして攻めの王様羅剛は何かというと強引に王宮に呼び出すし〜。彼にしてもやっぱり許されない恋をあきらめきれず、天の邪鬼になっちゃってる。
攻めの王様、かわいい。つらく当たってるくせに、実は神殿なんかにやらなきゃよかったー、って夜空に向かって吠えそうなのがすーごくかわいい。

漢字の地名や人名、宗教や飛竜なんかがいい感じにファンタジックな世界を構築してると思います。イラストもステキです。歴史ファンタジーっぽい読み物が好きな方にはかなりお奨めですね。

最近、胸を打つ作品に出会わなかったワタシ…。
でもでもでもっ!何気に手にしたこの本!最高です!胸キュンですっ!
神官(受け)からの視点で書かれてますが、相手の、王(攻め)の激しい恋情が、切ないほどに伝わってきてメロメロです。愛しすぎて狂うほどの強行にもでて、ちょっと「オイオイ…(汗)」って思う場面もありますが、それも私的にはゼンゼンOK!!
吉田珠姫先生の作品だけあって、ストーリーの進み方も洗練されていて、読みごたえのある一冊でした。もう一度本屋に駆け込み続編を手にするほどおもしろかったです。
ワタシもこんな風に愛されたい!(ちょっと重いけど)そう思わずにはいられない作品です。