今まで、あらゆる健康法の本を読んできましたが、よく見かける健康法の本とは
一味違う！っていうのが率直な感想です。（なにがどう違うのかというと、
説明できないのですが。）
読んでいるだけで、心がゆったりしたいい感じになります。
帯津先生のお人柄がにじみ出ています。

健康法のメインは「時空」ですが、ベッドの上で安静に行える松放功という
静功も紹介されています。
白隠禅師の『内観の法』と『軟酥(なんそ)の法』の紹介にも、ページ数が多く設
けられており意訳は読みやすく、実践の仕方も大変わかりやすく書かれておりま
す。

「時空」は、”虚空”とコンタクトをする場面のあるユニークな気功法です。
無限を思うことにより、気持ちが広がって、のびやかないい気分になります。

帯津先生は治療者とクライアントの共有している場が治癒に結びつくと
おっしゃられていました。DVDの出演もモデルでなく、先生が直接されています。
帯津先生ファンや病院に通っている方、遠方で通えなくて残念に思っている方
には嬉しい一品です。

先生の軌跡、病院の軌跡、病院の紹介についても書かれています。
病院というと、どうしても冷たいイメージ、嫌な思い出といったネガティブな
連想が多くなるのですが、こんなに温かい病院もあるのか〜！と思わず目から
鱗でした。本当は、温かい病院というのが本来あるべき姿だと思うのですが。

最近、少しずつですが、ホリスティックな医学を試みる病院が増えてきたようです。
患者が安心できる温かい病院、そこにいるだけで病気が治りそうな気がする・・・
そう思わせる空間を提供できる病院が増えればいいなと思いました。

帯津氏の〈気功〉観が、たんなる健康法、長寿養生法ではなく、生きながらにして死を乗り越えるというところが魅力的だった。キーワードは「虚空」で、その虚空と一体になることこそが、健康法の目指すべき究極の目的なのだとこの本を読み知った。白隠禅師の健康法が、まさに気功だったというのがよくわかり、興味深かった。DVDは単純な作りだが、それだけに実践するのにはちょうどいい感じがした。