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空海コレクション 2 (ちくま学芸文庫)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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出版界における快挙!!! ★★★★★
世に真言密教や空海に関する解説書は数多い。とても原典には手がとどかないと思っているのがふつうだろう。
ところが、である。この値段で空海のなまの語りにたっぷり触れることができるのだから、これは岩波文庫のお株を奪う、出版界における快挙といっていいだろう。

従来、解説書では著者が空海と前提を共有してしまっていて(実際、学者兼真言宗徒が多い)、読者はおいてけぼりにされ、かえって訳がわからなくなることが多かった。ふーん、そういうものか、という感じである。この点、原典読書は、自分で考えることができるから、疲れるけれど意味がある。お勧めの1冊である。(ただし、自分の能力不足のせいかと思うが、訳なのか解説なのか、読んでいてわからなくなる時があって混乱したことを告白する。とくに“即身成仏”にかんしては『空海 塔のコスモロジー』〈武澤秀一著/春秋社〉のほうが具体物を介してなのでわかりがいい)

ところで、興味深いことに気がついた(内緒で開陳しよう)。
訳注者が「生きとし生けるもの」と訳しているところを、巻末で解説者が「一切の生物と非生物」とそれとなくいいかえているのだ。監修者は解説まで監修はしないだろうから(?)、多分訳注者と同じ見解だろう。
ここは解釈の大きな違いである。訳注者・監修者は自身の日本人的生命感にひたっているのか? 解説者が非日本的なのか? いや、日本的か否か、という以前に、基本認識として重要なポイントである。実際のところ、空海自身はどう考えていたのか? 考え出すと夜も眠れない…、おーい、ちゃんとした解説書はどこだ〜?
空海の「真言密教」の根本思想 ★★★★★
 そもそも仏の教えは、はるか遠くにあるものではない。それは、われわれの心の中にあって、まことに近いものである。悟りの当体である真理は、われわれの外部にあるのではないから、この身体を捨てて、いったいどこにそれを求めえることができよう。迷いと悟りは、いずれも自分自身の内部に存在しているのであるから、悟りを求める心を起こせば、実に悟りに到達することにほかならない。明るい世界(悟り)と暗い世界(迷い)は、いずれも自分をおいて他にあるのではないから、仏の教えを信じて努力したならば、悟りの世界は、私たちの眼前にたちどころに開けてくるものである。
『般若心経秘鍵』の序文には、こんな分かりやすいことが書かれている。
 本書はコレクションであるから、空海の著書が集められている。それそれの言わんとする要旨が手に取るようによく分かる懇切丁寧な空海入門書である。
『即身成仏義』で、宇宙の森羅万象を、法身大日如来の顕現と見て、宇宙の真実相を六大・四曼・三蜜の三方面から解明して、「密教的成仏」を解き明かした。
『声字実相義』では、六塵(色・香・味・触・法)がことごとく文字であり、声字はそのまま実相であるとする。
『般若心経秘鍵』は「般若心経」が大般若菩薩の悟りの説いたものとする。