のんびりとした語り口の大阿闍梨。強く訴えかけ、揺さぶりをかけるなんてことはまるでなく、ふわぁ〜と、温かい空気に包まれます。自分の功績・苦労を自己顕示欲たっぷりに示すこともありません。カジュアルに、感じたことを綴られてみえます。

「今日の自分は、今日でおしまい。」
そうかぁ。少し、歩いてみようかな。そんな柔らかいココロになりました。

千日回峯行、そして、その後の
日本、世界を巡礼したときのことが、やさしい語り口で綴られています。
同じことを繰り返し、一生懸命やることの大切さ。
自然に逆らわない生き方。
同じものごとも、見方によって良くも悪くもなること。
各地を歩くことで出合ったエピソードをもとに、
人はどう生きていけばいいのか、生きる知恵が語られています。
まるで目の前で阿闍梨さんのお話を聞いているかのように、
心にすんなりと染み込んできました。