西国三十三ヶ所の寺院と周辺の観光スポットを紹介したガイドブックです。
寺院の紹介の前に巡礼のやり方、持ち物ガイド、基礎知識、三十三ヶ所めぐりのモデルコースが載っています。それから１番青岸渡寺、２番紀三井寺・・・と続きます。それぞれの寺には寺の由来、地図、写真、アクセス、おもな行事、そして周辺のスポット（主に食べ物関係）が掲載されています。
本は見た目は薄いのですが、意外と中身は濃いです。
だから、これ一冊をかばんに入れて寺院巡りをしても、そんなにかさばらないのがいいです。かなりお手軽なガイドブックと言えます。
ただ、欠点を言うなら、モデルコースのところ。
電車とかバスとしか書かれていないが、この電車というのはＪＲのことなのか、私鉄のことなのか全然分からないので、あらかじめ行く場所のアクセスを調べなおさないといけません。インターネットがあれば楽ですが、ネットに繋げない環境の人は面倒です。ガイドブックを使う人の立場に立って本を作って欲しいものだ。せっかくいい本なんだから。

　西国三十三所のガイドブックは幾つも出ており、それぞれ一長一短あるのですが、個人的には一番バランスが取れていると思ったのがこちら。
　お寺の縁起や言伝えなど、“信仰”に関わる部分と、周辺のグルメ・名所などの“観光”情報、そして、地図・アクセスなどの“実用”情報がそれぞれ程よく、また「巡礼の歴史」「『西国巡礼』を書いた白洲正子とは」などの薀蓄も適度に取り揃えられており、巡礼初心者にも優しい構成となっている。
　実際は、何冊かのガイドブックを照らし合わせながら回るのが良いでしょうが、“１冊だけ”というなら、この本は悪くないチョイスだと思います。