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わかる仏教史

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 春秋社
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初心者はこれで学ぶべし ★★★★☆
高校生レベルの講義をするのに、何か良い本はないものかと探しているときに、この本に出会いました。
著者が「仏教学」としてどこまで精通されているのか些か疑問を感じる表現も見られますが、概ね間違ったことは書かれていません。
何より、非常に平易な文章で説明されており、「少し仏教に興味があるし、勉強してみたい」といった人に必要の無い部分にはうまいこと触れていない(語弊があるかもしれませんが・・・)ので、入門書としては十分すぎるくらいのものだと思います。

ただ、最初に触れたように、専門知識を持った者が見た場合、「この表現はどうなんだ」と疑問に思う箇所が時々見られます。
それらは認識のズレの問題である、と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、「これが仏教(の歴史)なんだ」と安易に本書の内容を受け取ってしまうのは問題があるようにも感じました。
ですから、専門知識を持った人が高校生くらいのレベルに講義をする際に、逐一解説・訂正を加える前提で用いるテキストとしては、これ以上にふさわしいものはないのではないでしょうか。

批判的なことも書きましたが、書名にもあるようにここまで分かりやすく書かれたものはそうそうありませんので、オススメできる1冊だと思います。
仏教入門者の辞書的存在 ★★★★★
釈迦の時代のインドから中国を経て日本へ到る仏教の歴史が簡潔に紹介
されており、複雑でとっつきにくい仏教を身近なものに感じさせてくれる
良書です。わかる仏教史というタイトルだが、仏教の教えそのものも
分かりやすく解説してくれていて、仏教入門者には辞書的存在として重宝
します。
これほど分かりやすい仏教史は初めて ★★★★★
インド→中国→日本という流れをまるごと紹介してくれるのが非常にわかりやすい。

重要人物やキーワードだけ説明するのではなく、仏教の思想が変化していく様子や当時の社会情勢からの影響も盛り込まれているので、それが逆にわかりやすい。

歴史の試験勉強も、ただ名前や年号を断片的に暗記だけでなく、全体的な歴史像を把握しておいた方がずっと覚えやすいのと一緒だ。
わかった ★★★★★
仏教誕生から江戸時代の日本仏教まで、びっくりするほど巧みに平易に噛み砕かれた、仏教史の解説本です。初心者むけですが、ある程度の断片的な知識をもちつつ、中途半端な仏教理解しかできていない人(私だ)も、仏教史の全体的なイメージをきっと獲得できるので、やはり大推薦します。ところどころ、著者のすっぱりとしたまとめ方では収まらず、もっと異論が飛び交っている部分もあるにはあるのですが、しかしこの見事な簡潔さの前では、細かい議論はとりあえず脇においておきましょう、という感じです。
メインは、あくまでインドです。著者の専門だから、というのもあるのでしょうが、というよりもむしろ物事の根本をちゃんと語っておかねばならん、という信念ゆえでしょう。この本が書かれた動機も、日本の仏教関係者があまりにいいかげんな「仏教」の来歴を思い描いているからだ、ということです。ただし、インドと日本をつなぐ重要な中国仏教にも、けっこう詳しくふれられています。
あと、数ページごとにおまけでつくイラストが、いいなと思いました。イスラムの侵攻でインド仏教が滅びる無残を表現した絵とか、各種の問題に悩める最澄のユーモラスな姿とか、印象に残って理解の助けになりました。傑作なり。