華厳
★★★★★
あらゆるものが融け合い、ある一つのものは他のあらゆるものにほかならず、あらゆるものはある一つのものにほかならない。
一塵のなかに一切が入っている。宇宙の一切が。(一入一切・一切入一)
時間も一瞬のなかに全時間が収まっており、逆にあらゆる時間にその一瞬が浸透している。(一入一切・一切入一)
一念と無量劫とが融即している。(一切の時分は皆悉く不定)
初めのなかに終りを見、終りのなかに初めを見る。(一即一切・一切即一)
すべてが同時に成立している。
一切は実体はないが(空)、一切はつながっている。(縁起=空性・無自性による)
そして、主伴の双方向的関係があり(相即・相入)あらゆる事物の間でそのことが現成している。(重々無尽、事々無礙、因陀羅網)
関係に入ることができるということはすでに他を自己のうちに有している自己であるということである。
一切を具足していて、ただ何と相即・相入しているかは視点(見方)に応じて自在に見出される。(他は同時に存在しているが隠れている)
無尽無辺のいのちの本性が縁に従って形をなしたものであって「一即一切・一切即一」の不可思議にして不可説。
華厳の解説書はほとんどないが、これはお勧め。