たぶん１〜２巻がわりと微妙だったので、さみだれほどにファンも食いついてないかも？　な戦国妖狐の4巻。
三巻で一気に燃えと泣かせの水上さん真骨頂を発揮して、今回は溜めの巻です。
各キャラの過去が匂わされたり、物語世界のおおまな説明がなさなれます。そしてバトル漫画としては必須（なのに最近は飛ばされ気味な作品多い）な各キャラのレベルアップ話。
たいへん必要な巻です。水上さんはこういう必要なものをちゃんと積み重ねてくれるので、その後にやってくる怒涛の燃えと泣きが本物の迫力を持つのですねー。
やや地味な印象を与える本作ですが、読んだ報いは与えてくれる作者さんなので是非。

ところでストーリーテラーというか、演出の面で水上さんは光るなぁ、と今更ながらに。
斬魄刀と語ったり、精神と時の部屋で修行したり……「え？　それは００作品の……」と凡百な作家が同じことをしたら突っ込みが入りそうですが、うまいことパロディとして笑えるようになっている。そのくせその熱いマインドだけはほんまもん。
いまいち押しの「少年漫画家」であることは疑いようがありません〜

　水上作品の中では評価の低い本作ですが、面白くなってきましたよ！3巻後半の芍岩の死（あるいは冬眠）から真介が暗黒面に突入。迅火の内面にも微妙な変化が。断崖衆の長、野禅の過去とタマの母親の話もでてきます。更に、迅火の師、黒月斎が実はスケベ故に無敵となったとは・・・！
　迅火のオッドアイ（左右の目の色が違う）の秘密も明らかに！（いや、これは水上ファンなら秘密じゃねーか。妖○眼ですから）ストーリーテイラーは新キャラの「山ノ神」。この人（？）を中心に4巻のお話は進みます。千の闇（かたわら）を身に潜めた千夜の心にも微妙な変化が現れる。4巻をよんでから1〜3巻を読み直すと本作の評価が一変しますよっ！文句なしに面白いっ！買い控えていた水上ファンの方々、この本は「買い」だっ！！