本書収録の『第1マカベア書』は、4つあるマカベア書のうちの1つですが、同じく旧約外典として認められている『第2マカベア書』が未収録です(第3、第4は偽典)。また『ユデト書』は全16章のうち、主要部分である7~13章のみの訳出となっている。この辺が評価の分かれ目でしょう。個人的には以前から読みたかったものが読めたので一応満足しましたが、それでも旧約外典を我々一般読者にも手に取りやすいものとして提供しているだけに、うれしいと同時に、惜しいというのが本音としてある。
ちなみに『トビト書』は天使ラファエルが登場することでも知られており、下巻収録の『エノク書』とともに、天使に関心がある人にはオススメです。