ちびっ子探偵の大活躍(?)がとってもゆかいで楽しい
★★★★★
「パンケーキがだいすきな」「めいたんていのネート」九歳は、「アニー」から、自分の描いた犬のファングの絵を探してほしい、とたのまれて……。
出てくる子みんながパンケーキが大好きで、読んでいるうちによだれがでてきそう。赤と黄色(と茶色い)のカラーの絵のページと、黒のモノトーンのページが交互に続くのですが、実はこの配色に「きえた犬のえ」の秘密がかくされていて、ははーんと思わされます!(絵は『木はいいなあ』『はなをくんくん』のマーク・シマント)。
子どもの目には、日常生活のささやかなことも、ファンタジーの世界のように不思議に映っているということがよくわかります。その謎を、探偵かスパイの気分で、ドキドキわくわく調べていくところに、日本の子どもも引き込まれてしまうでしょう。
筋には無関係ですが、金髪の白人少年ネートが、好きになるならこの子と思っているアニーが、黒人の少女である点に、とても感激しました。原書が出たのは1972年。黒人の少女が出てきて有名なのは、『くまのコールテンくん』など少ししかないので、とてもさらりと書いてあって、いいなあと思わされました。
子供向き探偵シリーズ
★★★★★
外国の探偵の本シリーズの1冊目
この本は、子供探偵である主人公が、同じ子供である友人の絵をさがす内容です。
大まかにはすべてのページに挿絵があり、文字の大きさも1ページあたり
10行といわゆる、絵本から普通の本に移るための橋渡し的なほんの構成になっています。
何事にも興味津々な、子供の雰囲気を醸し出している主人公にとてもほほえましさを
感じますし、子供もその点に共感を覚えるのだと思います。
手元にある本も1982年に出版され1999年に17刷となっていますので、かなり
売れている本なのではと思います。
探偵ごっこの延長線上にあるようなこの作りの本は、子供たちにも
満足しており、とても良い本だったなと思いました。