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忘れな草 (創元推理文庫)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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記憶と名前と ★★★☆☆
 「雪の断章」に続く佐々木丸美・孤児シリーズの2作目になります。孤児の少女と青年の心の軌跡を描いた前作に比べ、近作は孤児シリーズの軸となる企業での権力闘争が全面に押し出され、陰謀に満ち満ちたお話になっています。北斗興業の継承権を持つ行方不明の少女・上久弥生の候補として屋敷に引き取られた二人の少女と、屋敷の主・一野木昌生の正体をめぐって物語は進行します。

 権力の狭間で振り回される二人の少女の反目と友情、名前と記憶をめぐる謎、とテーマ自体はとても面白いのですが、全編にわたる葵の一人称語りのリリカルな美文(或いは怒涛のポエム)がちょっと多すぎたというか、最後の方では少し疲れてしまいました。展開も真実をつかんだと思ったら嘘で…が繰り返され、冗長な印象。もう少し短い話だと良かったと思います。葵と楊子のぎりぎりの友情は切なくて良かった。

 個人的には星四つ位ですが、人を選びそうなので三つにしました。但し、孤児シリーズを読み進める場合、本作に一通りの人物関係がまとめられているので、一読は必須かと思われます。
30年前の作品とは思えない面白さ ★★★★☆
佐々木丸美は、1975年〜1984年の9年間しか執筆活動(17作+漫画原作1作)をせず、2005/12/25に56才の若さで亡くなった作家です。
この15年程は全ての作品が絶版となっており、本人も頑なに復刊を拒んでいたようですが、亡くなった後復刊が決まったようですね。
ミステリー、恋愛、心理学等いろいろな要素を詰め込んだ独特の作風で面白い。
シリーズ第二弾 ★★★☆☆
一軒の家にあずけられた孤児の少女二人。そのうち一人は大企業の創設者の血を引いている。会社を継承する権利があるのはどちらの少女なのだろう?

サスペンスが盛り上がるような申し分のない設定なのだが、企業の継承権よりも少女どうしの友情や対立、恋愛、心の動きを中心に書いているので、ミステリというよりも恋愛小説に近い。それでも著者特有の幻想的、非日常的な世界が広がっていて、ただの恋愛小説とは一味も二味も違っていておもしろい。

「雪の断章」に続くシリーズ第二作ということで、前作で顔なじみになった人の顔や名前がちらちらと出てくるのもうれしい、読んで損のない一冊です。