何やら派手派手しい宣伝文句に食われ気味の『Psyence Fiction』だが、サウンドを聴けばやはり大ヒット間違いなしのアルバムという感じがする。「Rabbit In Your Headlights」では、シャドウがオーケストラ・サウンドを絶妙にミキシングすることで、ヨークの悲しげな歌声に壮大な背景を与えている。シャドウはインスト曲の腕前も確かで、「Unreal」や「Celestial Annihilation」は豪華ヴォーカリスト陣の顔色をなからしめるほどの出来ばえだ。
コラボレーションがやや不調に終わったトラックも確かにある。アシュクロフトによる「Lonely Soul」と、マイク・Dのラップにはいつもの精彩が見られない「The Knock」は本作の汚点となってしまった。この2曲を除けば申し分のないアルバムと言えるだろう。(Louis Pattison, Amazon.co.uk)