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顔は口ほどに嘘をつく

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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感情のメカニズムは分かっても制御するのは難しい ★★★★☆
 人の表情を見て、その人が今どう感じているかを察知する事ができたら?その
感情に対してもっとも適切な対処ができたら?その答えが本書に書いてあるのだ
ろうか?という思いで手に取りました。残念ながら本書はその手のHow to 本では
ありません。著者は過去40年にわたって感情について研究をしている学者です。
タイトルの『顔は口ほどに嘘をつく』というのは彼の研究の一部に顔の筋肉の動
きを測定するToolの開発があり、その中に嘘を見抜くための顔の動きを突き止め
た事からつけた邦題で、キャッチーな邦題をつけた編集者に一本取られました。

 本書の構成はどちらかというと学術書ともいえるほど整然としています。前半
の1から4章は人の感情に関する研究の総論が書かれています。私自身『怒り』の
感情に関心があり、ためになったのは「心の動きを自覚する感覚」を養う事で
す。この時点で科学を離れ、哲学者の引用になってしまうのですが、感情を曇り
なく自覚していれば、「怒りに基づいて行動したいのか、それともその感情を眺
めていたいのか」を選択する事ができるという事です。実際そんな事のできるの
は、ダライ・ラマでさえ疑問であるといっています。著者は「注意深く感情に気
を配る」ことで感情に巻き込まれることを少なくすることが可能なのではと控え
めです。しかしながら、私にとっては非常に示唆にとんだ考え方で、少なくとも
そうするよう努めることはできそうです。

 後半の5章以降では個別の感情に対する表情の特徴を測定して客観的に論じてい
ます。非常に興味深くはありましたが実生活で役に立つというか、その感情を表
現する俳優の演技の勉強になるのではと思いました。感情表現に関心のある方は
手に取ってみては如何でしょうか。
本のタイトルとイメージが違い、学術論文のような本 ★★★☆☆
大前研一が訳した、ハイコンセプトにも紹介されていたエクマンの本を読んでみようと思い買いました。タイトルから、気軽に読める感じかなとおもってかったのですがい、意外と硬い印象のある文章で読みづらいです。第一章に表情を読めるかどうかのテストがついていますので、まずそれを受けてみて、面白いと思われた方で、読みきる自身がある方の購入をお勧めします。

主な内容は、表情を作り出す感情の原因がどこから来るのかといった解説から始まり、それに対する対処法、感情別(悲しみと苦悩、怒り、驚きと恐怖、嫌悪と軽蔑、楽しい感情)ごとに表情を分析し、対処法、接し方をアドバイスしています。
対人コミュニケーション能力が退化した現代人のための本 ★★★★★
現代人は核家族化、またパソコン、携帯電話、ファミコンなどの普及により人と直接接する機会が激減していて、自分の感情を人に伝える能力、また相手の感情を読み取る能力が著しく低下してしまった。車が普及して便利になったのはいうまでもないが、そのために歩かなくなり足腰が弱ってしまったのとおなじことだ。親子関係においてさえお互いの感情が理解できていないのは昨今家族間で起きているちょっと前では考えられないような数々の事件を見ればいやでもわかる。

しかしそうはいっても人間は完全に孤立して生きていくことはできない。人間は社会の中でしか生きていけない、つまりコミュニケーションをしないと生きていけない動物なのであり、そしてそのコミュニケーションはパソコンなどのツールを通してだけはなく直接顔をあわせてなされるコミュニケーションもなければならないことは人類が生まれてから500万年以上かけて遺伝子に蓄積されてきた情報を考えてみればわかるだろう。以前、同じ将棋でもパソコンのゲームでするのに比べて人と顔をつき合わせて指しているときのほうが脳の活動が活性化しているという実験がテレビでやっていたがある意味でそのことを証明しているかもしれない。

この本ではどういうことが引き金となって感情が湧き上がり、そのとき顔はどういう表情になるのかを客観的な実験データ(写真)を使ってわかりやすく教えてくれる。そして著者のポール・エグマンは顔の表情が文化を越えて人類共通のものが多いことを突き止めたことで顔学の権威となっている。彼の研究成果がFBIやCIAで活用されているだけでなく、「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」などを製作したピクサーがその知識を取り入れて世界中で大ヒットを連発していることが彼の研究が国を問わず有効であることを証明しているだろう。