Radiance
価格: ¥4,396
この1時間20分の2枚組アルバムのためにソロのライヴ形式に戻ったキース・ジャレットは、絶好調だ。本作品は2002年に3日を開けて2晩、大阪と東京で録音されたが、2005年になるまで発表されなかったもの。ここでジャレットは事前の計画なしに、録音を3つ行った。それでもエネルギーを自分とその手に移動させて、哲学的、そして物理的な要素がひとつになった場合にのみ見られる域に達している。リスキーな方法だが、彼の40年に渡るキャリアの中で、もっともインスパイアされてチャレンジ精神に満ちたアルバムのひとつとなっている。
普段のジャレットの音楽コンセプトは、クラシックとジャズ、アバンギャルド、そしてダイナミックでメロディアスなアイデアをひとつに収めるところにある。このアルバムの静かなパートの大半でさえも、エネルギーのレベルは弱まることがなく、このパフォーマンスは音符と音符の間も、音符そのものと同様に濃密で重要なのだと証明している。「Part 6」のような微妙な一節から、もっと耳障りな作品「Part 7」まで、ジャレットは彼本人だけでなく聞き手も照らし出すような旅に誘ってくれるようだ。この神々しくて頑固な部分と柔軟性をあわせ持ち、感情を引きだしてくれる音楽が、内なる使命を常に負い続けるミュージシャンから送り出される。昔からのファンはこのパフォーマンスに心躍らせ、先入観のない新しい聞き手はキース・ジャレットの才能と妥協することのないビジョンに驚愕することだろう。(Hal Horowitz, Amazon.com)