文章は覆面ライターにとってごく平凡な出来。安きに流れた文章で、本格的に論じるに値しない。切れる文章ではまったくなく、内容も自己肯定に終始し、面白いとはいえない。しかし、読みやすいのは事実。行間も広く、あっという間に読み終わる。「いかりや長介はまだ生きていたんだなあ」と感慨に耽る記述がある。
なお本書は古書店で入手した。手紙がはさんであり、これを書いたライターから某有名落語家宛の献呈本であることがわかった。止めてあったゼムクリップを外した形跡さえない。開きもせずに売り払ったのではないか、と思う。ライターの好意が気の毒であった。
うぬぼれではなく、むしろ謙遜に聞こえるが、確かにどんなグループにも、高木ブー的存在は必要であるように思う。
しかし、高木ブー自身は、ドリフターズに入る前は、ハワイアン・バンドを始めとする、いろんなグループのリーダーであった訳で、最初から第5の男だった訳ではない。
ドリフターズに加入したときの経緯など、いかりや長介の書いた『だめだこりゃ』などと微妙に違っていておもしろい。
ドリフに入る前のパートでは,戦時中から戦後すぐの頃の人々や町並みの姿や,学生生活の一端もうかがえて興味深い。ブ-さんって昭和1けた世代だから,戦争を知っておられるんですよねぇ。
奥さんや娘さん夫婦への愛情,気遣いなど,テレビでは見えない姿も惜し気なく語ってくれています。
ドリフは少し寂しくなったけど,ブーさんには元気でますます頑張ってほしいと思いました(もちろん,他のメンバーも!)。
音楽やハワイアン、ウクレレなどに対する熱い思い。 ドリフメンバーをはじめ、周りの方に対する細やかな心配り。 きっとドリフ全盛の頃、ご自身もご苦労なことや悩みもあったろうなと思いますが、そんなことは一言も触れられていません。 気負うこともなく、居眠りするかのごとく自然に振舞えるブーさんは、今の世の中に求められている頑固な大人あなのかもしれないと思いました。