写真や豊富な解説でキリスト教に関するおおざっぱな知識が得られる。上巻は世界最大の宗教団体である「カトリック」を中心に現代までのキリスト教の歴史が多角的に解説されている。ローマ帝国により国教化されたキリスト教は、当初帝権の下にあったが、カール大帝に「西ローマ帝国」の帝冠を授けたことにより、教皇が世俗にも影響力を持つ強大な存在になった。やがて堕落した教会に対して「福音主義」を掲げ、教皇の権威を否定したのがルターである。これを契機に様々なプロテスタント宗派が生まれることになる。巻末の「キリスト教全宗派総覧」は、東方正教会、アルメニア、コプト、エチオピア教会から、モルモン教、エホバの証人、統一教会などキリスト教から生まれた新興宗教まで解説され、便利である。