上巻のあとすぐに下巻が読みたくなります。上下巻セット買いがゼッタイおすすめ。
下巻に突入していよいよ、『激流』というタイトルの意味が深まります。
人間模様がどんどんぐちゃぐちゃしてくるので先を読み急ぎたくなります。

登場人物一人ひとりの会話にも作者の細やかな配慮が窺える。見過ごしてはならない。下巻に入り展開するストーリー。中学生も１８年の時を経れば人生はさまざま。行方不明者と京都修学旅行で行動を共にしていた彼等彼女等の推理とは？

魅力的な導入部から一気にぐいぐい読まされました。ストーリーテラーとしては指折りの著者ですが、読み進むうちにミステリーとしてよりも文芸小説としての色合いが濃いことに気づきました。
多感な時期から２０年が経ち、当時の夢は彼方に消え、逃れようのない目の前の現実にもがき苦しむ主人公達が、哀しい過去の事件を振り返ることによって様々なことに気づいていく、とても奥深い物語だと思います。ミステリーとしては結末にやや難があるものの、これだけ長大な物語を一気に読ませる力は素晴らしいと思います。