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日本の神々 (岩波新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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日本人の根底 ★★★★★
日本の神道は中世以降、とくに戦後から急激に、本来の信仰からかけ離れたものとなっているそうだ。そういった現状を問題視してきた柳田國男や折口信夫の意見に「感動」した筆者が、日本各地の神とその信仰について、民俗学的な視点から過去へと遡って考察している。神への信仰は日本人の精神の根底にある大きな部分である。新書としてはあまりにも濃い内容だが、本当に良い本だった。
日本人の宗教観 ★★★★★
日本人に「あなたは神の存在を信じますか?」と問うと、八割はノーと答える。
しかし、「あなたは自然に対して、人知の及ばない力を感じる事がありますか?」と問うと、同じように八割がイエスと答える。

という話を聴いたことがあるんだけど、この本を読むと、日本人の魂の根底の部分、DNAレベルで上記の質問に関係する自然信仰、精霊信仰が刻み込まれているんだなと感じる。

古代の日本の人達が、どのような宗教観を抱いていたか。何を畏れ、何を敬い、何を行っていたか。
わかりやすい事例を元に、丁寧に綴られている。

そしてその思想は、現代でも脈々と受け継がれていると、僕は思う。

日本の神話や民俗学に興味のある人ならば、読んで損はない本。
古事記、日本書紀の知識が少しでもあるとかなり楽しめるのでは。
取材した日本古来の神々を生き生きと伝える ★★★★★
 神の原型に迫りたいと思うとき、本書は光彩を放つ。
 記紀以前の日本の神々の手がかりを奄美・沖縄の神々の中にその手がかりを求めることができる。南の島の菫ほどの小さな神々に心を寄せ、それらの「小さく」「可畏き」神々が必ずや日本人の根底に横たわる世界観や死生観を解明する手引きになると著者は考えた。本居宣長は「可畏きものもの」をカミと言った(「古事記伝」)。この定義ほど日本の神の本質を言い当てたものはない。
 人の一生の中で誕生の時期は最大の危機であった。八重山では、生れたばかりの子供が初めて外出するときは、鍋墨で×印や十印を顔につけられた。これは邪神の侵入を防ぐまじないであった。喜界島では、子どもが生れると、母が臍をついでいる間、家人の誰かがウブガミの代わりにイヤギ(斎矢木)をさす。「魔がさす」という言葉もこのあたりに由来するものであろう。
 神々は一様ではない。日本列島の中央部である葦原中国にも異風、異俗の神がわがもの顔に横行した。特に夜は「可畏きもの」たちの跳梁する舞台であった。古代日本と八重山の双方に、はるかな時空を超えて、夜は人間の力を超えた゜神の世界であるとする考えがあった。
「万葉集」には「不相鬼故(逢はぬものゆゑ)」のように「オニ」を「モノ」と訓む。「カミ」の否定的側面を表したものとみることができる。先住の神を「邪(あ)しき鬼(もの)」呼ばわりしたのである。
 本書には、実にさまざまな日本古来の神々が紹介されて、読者を飽きさせない。
 
 
「日本」を知るために、すべての議論に先立って読むべき本 ★★★★★
「日本」の基層信仰のエッセンス、つまり「日本人」の心のありようの基底が、ぎっしり詰まった本。
記紀のみならず、列島各地を隈なく見、聞き取り、書き取った膨大な蓄積を背景に、深い洞察の言葉が紡ぎ出される。1行、1行が珠玉だ。思索と経験の密度は尋常ではなく途中、瞑目すること、しばしばであった。
何度でも読み返す価値のある本が新書で入手できるとは読書界の財産といえる。「日本」「日本人」の本当を知るために、すべての議論に先立って読むべき本です。
中級書 ★★★★☆
 古来より日本では全国津々浦々至る所に神は存在する、と信じられてきた。生物は元より火や水までもが神として考えられてきた。西洋の神の唯一性とは明確に一線を画す思想である。その点で日本の神々は大変興味深い。そんな日本の神々を、主として国学と民俗学の視点から、そして筆者の仮説を交えながら解説した本書。

 身近なトリビアも扱っている点が良い。一例すると、「クマ」という語は道や川の曲がりくねった所等、人目から見えにくい場所を指した。動物の「クマ」は穴籠りをして人目がつきにくいことからそう呼ばれるようになった。

 柳田国男氏や折口信夫氏等の著名な民族学者の著書を多々引用しているため入門書の類には分類出来ないだろう。中級者向けの著書である。しかし内容は高度だが、読者に配慮し仮説を丁寧に裏付けしている点で良書であると言える。日本の神々について無知な私でも吸収出来るものがあった。