昔の映画の台詞より。 『レオーネがモリコーネによろしくってさ』
★★★☆☆
レビュー上に踊る韓流ファンの方々の楽しげなあれこれをみていると、野暮な事は云いっこ無しって感じですねェ。さながら当方往年のロードショー誌上に迷い込んだキネ旬読者…って余計わかり難いがな(笑)。本質的にどこぞの国よりよほど元気の良い韓国映画界ならではの痛快丸かじりアクション、マカロニ・ウェスタンを徹底的にリスペクトした体裁のおかげで世界中の何処に出してもおかしくない快作となりました。
主役の三人がくっきりキャラを分けているのでカッコ良いっすね。イ・ビョンホンは出で立ちからしてアラン・ドロンか仲代達也を意識した感じだし、ソン・ガンホは演技派らしくシリアスからコミカルまで縦横無尽、チョン・ウソン馬上でコートを靡かせてのライフル・アクションとは定番中の定番!まさに昔、ジュリアーノ・ジェンマの甘いマスクに女学生がキャーキャー云ってたあの頃を思い出します。
皆さん心配するほど本作いい加減な造りでもなく、本家マカロニ物のモノスゴイ奴のモノスゴサといったら、そりゃあモノスゴイんだから(笑)。草葉の陰の石原莞爾にはわるいけど満州の日本軍は映画の中では何をやってもいい事になっているのでお約束だし。
不思議と昔から韓国映画とは縁があり「義士安重根」の昔から(笑)ちょぼちょぼ観ていたおかげで「シュリ」や「ホワイト・バッジ」あたりが盛り上がった時もリアルに楽しめ、昨今の韓流ムーブメントはむしろ「え?其処なの」みたいなトコも正直あったんですが、結局おなじ東アジア文化圏というかメンタリティ近いんですよね。ロバート・ロドリゲスとかタランティーノのアプローチをみてるとつくづく血の違いを感じることがあります。複雑な心理劇ばかりでなく、むしろ本作のようなストレートな活劇の中で登場人物たちがみせる、ふとした表情の彩がスッと腑に落ちる感じはハリウッド映画ではなかなか得がたい感覚だったりする訳です。
…にしてもこのソフトの体裁は作品というよりファンシー商品ですな(笑)。なので☆三つ。
ぐだぐだ言うなら観るな
★★★★★
あー荒唐無稽、日本兵いいとこなし、でもいいじゃんそれで!
金掛けてのB級臭さはわざとだし、満州の砂漠が変でも、日本人が正しく描かれてなくても。そもそもそんな所に固執した作品じゃないだろ…なんか1人的外れなレビューする方がおられて笑えましたんで、笑いこらえながら書きました。すみません。
あと西部劇に対するオマージュは、えらくお詳しく方がおられて大変参考になりました。知っていたならより楽しめたなぁと自分の浅い映画知識を後悔。
ただどなたかの指摘のとおり、砂漠での追っかけっこシーンは無駄に長く間延びしました。残念。
本当に面白い楽しい!
★★★★★
最近こんなに面白くて熱いアクション映画はないですよ。
ハリウッド作品とか、皆クールぶってるでしょ。
韓国映画苦手でもアクション好きなら、絶対見るべきです。
特に話題の大追撃シーンは、興奮すること間違いなし。
これは社会派映画じゃなくて娯楽作、歴史的背景なんざ関係ない。
楽しんだもん勝ちです。
華を添えるだけが目的の余計な女性キャラがいないのも良いし、キャラクターも面白い。
(悪い奴が一番ロマンチックだったり、笑)
かなりお薦めの作品です。
題名からしてマカロニウェスタンに対するオマージュ的な作品
★★★★☆
題名の「THE GOOD, THE BAD, THE THE WEIRD」は「続・夕陽のガンマン」の原題「THE GOOD, THE BAD, THE UGLY」からきていることは一目瞭然。
内容も「続・夕陽のガンマン」同様お宝強奪戦だがこちらの方が一ひねりして「THE WEIRD」の正体やお宝の正体と謎を深めている。
要所にマカロニウェスタンのシーンを彷彿させるシーンを織り交ぜファンにはたまらない出来となっているが、出来は日本が作った「スキヤキウェスタン」より良いものとなっている。冒頭の列車襲撃は「群盗荒野を裂く」を彷彿させるし、途中THE WEIRDのバイクを荒野で口笛を吹いた後銃撃するシーンは「夕陽のガンマン」の冒頭シーンだし、最後の三角決闘は「続・夕陽のガンマン」そのもの。押し寄せる日本軍の騎馬隊との対決は「ミスター・ノーボディ」のワイルドバンチとの対決を思い出させる。望遠スコープを覗く目を打ち抜くシーンは色々な作品で使われているが元ネタは「さすらいの一匹狼」。
アクションシーンはどこをとっても体を張ったもので迫力満点だし、ストーリーも「続・夕陽のガンマン」風で込み入っているが上手く整理されて分りやすい。特にアクションはTHE GOODがロープで宙を舞い上空から銃撃するシーンやクライマックスの騎馬隊との対決はかなりの迫力(編集段階でのCG処理はあるものの、最近のCG中心のアクションとは一味違う)。
難を言えば血糊を多用した銃撃戦がサム・ペキンパー監督の「ワイルド・バンチ」をイメイージしたリアルさと迫力の追求には感じられず、単に重い印象しかなかったことと中盤の闇市での銃撃戦がやたらと長く感じられたところか。
舞台を太平洋戦争前の満州において何でもありの世界を作り上げたアイディアには脱帽。荒唐無稽だが上手くまとめられて楽しめるウェスタン風ムービーであることには間違いない。
ものすごいスケールのどうしようもない作品
★★☆☆☆
韓流ウエスタンだのキムチウエスタンだの呼び声高かった作品。おおむね高評価のようだが、正直なにが高評価なのかてんでわからない。
この作品は実にスケールがでかい!!CGもふんだんに使われている!!キャラもいい!!・・・しかし困ったことにそのスケールのデカさがてんで生かしきれていないのである。荒野を縦横無尽に駆け回る韓流スターの競演!だがカメラワークがいまいちで、寄る画は「あえて狙った」ものばかり。全景を無理やり収めたかったからなのか、迫力あるシーンは「意図的な」寄りの画ばかりで、全然盛り上がらない。そう、観ていてなんだか懐かしい、まるでB級アクションの域をでないのである。「少林寺」とか「阿羅漢」とか、さらに言えば「赤い夕陽の渡り鳥」なんていうあの空気が漂うのである。金かけてこれは無い。
舞台は1930年代の満州なのだが、パラレルワールド。まるで堺正章主演の西遊記に出てくるような西域風の舞台で、まるで満州「らしからない」。満州の荒野はあくまで一面の高粱畑で、決して砂漠ではない。そこに登場するのがブラックジャックと北斗の拳とマッドマックスをツギハギしたみたいな連中。で、そこに無理矢理日本軍が混ざってくるから、幻想的な話に没頭もできなくて興醒め。なにも無理して満州にしなくても、ガンダーラとかチベットとかモンゴルとかでもよかったんじゃないのかね?
歴史に無知な人は大絶賛できるんでしょうけれど・・・羨ましい。
大体家族を思いながら異国の地で戦っている日本軍の兵士を、天涯孤独の荒くれものの朝鮮人がピストルで撃ちまくる状況って韓国的にどうなの?俺が韓国人なら猛抗議ですけどね(笑)。
某「ロストワールド」に見られるように、ここいらに「ウリナラ」言う割には日本人を全然理解しきれない浅薄さってのが見え隠れして悲しくなります。あんたら俺らの民族の起源なんでしょ?もうちょっとシッカリしてちょーだい、といいたくなる。
正直、盲目冒進な韓流おばさんが期間限定で持て囃しそうな作品。来年辺りには無責任なファンが在庫整理に流し目でも送りそう。
(韓流スター担当:全子)